研究課題
基盤研究(C)
本研究では、発展途上国に進出している外資系企業がもたらすピルオーバー効果について、南アジア、とりわけバングラデシュに焦点をあて、ASEAN諸国、中央アジア諸国との比較を試みた。実証分析に利用した主なデータは、2009-2013年の世界銀行提供の各国のビジネスサーベイ、およびADB提供の各国産業連関表である。主な分析結果として、バングラデシュでは水平的効果が表れたのに対して、ASEAN、特にベトナムでは垂直的効果のうち後方連関効果が強く作用し、中央アジア諸国ではいかなる効果も見いだせなかった。
経済統計学
研究成果は、国際会議、および海外のワークショップで報告を行い、国内外での学術雑誌4編(内3編は査読付き)、書籍の1つの章として公刊している。ASEAN諸国を除く、南アジア、中央アジアなどのアジア諸国では、当該地域における外資系企業の事業活動が緒についたばかりで、今後の経済成長が期待できる地域でもある。事業活動の効果を実証的に把握することは、これからの日本企業の当該地域への進出、事業活動のあり様にも一定の意味を持つものと考えられる。