本研究では、まず、銀行を都市銀行と地方銀行に分けて、金融政策に関する時系列分析を行った。マネタリーベースの拡大が貸出残高に与える影響は都市銀行と地方銀行で差があることが分かった。また、リレーションシップバンキングを取り入れたDSGEモデルを構築した。銀行が顧客の情報を独占することで生じる独占力により設備投資が過小になるため、標準的なモデルに比べて金融政策の効果が低下する結果になった。さらに、地域間の移動を内生化したモデルの研究も進めた。故郷に関する愛着を高めて労働者を移動させるような施策は、生産性の高い地域から労働者を移動させることになり、一国全体の生産量を減少させる結果となった。
|