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2021 年度 実施状況報告書

非相似拡大的選好を用いた所得格差と経済成長に関する理論分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K01674
研究機関神戸大学

研究代表者

岩佐 和道  神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00534596)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード動学的貿易モデル / 資産市場 / 非効率性
研究実績の概要

本研究では、所得格差の存在や拡大が経済の成長経路や長期的均衡に及ぼす影響について分析を行う。そして、現在、拡大している国内外の所得格差が、経済成長や経済厚生にどのような影響を及ぼし、またどのような政策が有効であるかを明らかにすることを目的とする。
2021年度は、昨年度に引き続き、国際的な資産市場や資本移動が存在しないと仮定したもとで、初期資本量が各国の資本蓄積と貿易パターンにどのような影響を及ぼすかについて分析を行う、2国2財2要素の動学的ヘクシャー・オリーンモデルを拡張し、国際的な資産市場と非貿易財が存在するモデルを用いた理論分析を行った。本研究の分析においては、消費財と消費可能な資本財の2財のうち、後者を非貿易財としているが、前者を非貿易財と仮定した場合には、モデルが分析困難となることが新たに判明した。
モデル分析の結果、資本財が労働集約的である場合には、定常状態において物的資本が多い国は金融資産が少なくなること、集約度が逆の場合には、物的資本が多い国が金融資産も多くなることを示した。
また、資本財が資本集約的である場合には、初期に物的資本と金融資産の双方が貿易相手国よりも多い国が、定常状態においては資本と資産の双方が、相手国よりも少なくなるという状況が起こりえることが分かった。このような状況は、このモデルが内在する非効率性に起因している可能性があり、引き続きモデルの理論分析を進め、モデルの経済学的含意について検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

構築したモデルを用いての理論分析がまだ完了しておらず、学会等における発表も十分に行えていないため。

今後の研究の推進方策

理論分析の結果を論文としてまとめ、研究報告を通じて論文の完成度を高める。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会参加を見送ったために残額が生じたが、それは今年度の学会参加により使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Indeterminacy in a Model with Production Externality and Inferiority in Consumption2022

    • 著者名/発表者名
      Kazumichi Iwasa, Kazuo Nishimura
    • 雑誌名

      International Journal of Economic Theory

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1111/ijet.12324

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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