研究課題/領域番号 |
19K01691
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (50264742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 正規雇用 / 非正規雇用 / コーホート / シングルマザー |
研究実績の概要 |
就業構造基本調査1982年から2017年にかけてのデータを用いた分析を実施した。具体的には、職場の呼称によって正規雇用・非正規雇用を定義したうえで、正規雇用就業率(正規雇用と役員の就業者数を人口で割った指標)、非正規雇用就業率(非正規雇用の就業者数を人口で割った指標)を、女性の配偶関係別に集計した。そしてそれを5年単位のコーホート(同一年出生集団)別にまとめ、2017年までのデータを使ったコーホート別の就業率の推移を計算した。有配偶女性の中では、(1)男女雇用機会均等法施行以降に労働市場に入職した世代(いわゆる均等法世代)が40歳代に達した時点での正規雇用就業率は、その前の世代から大きくは上昇していない、(2)後の時点で生まれたコーホートであるほど、非正規雇用就業率は上昇してきている、の2点が確認された。申請者は以前、2002年までのデータに基づいて類似の傾向を確認していたが、その後の時点(2007年、2012年、2017年)のデータを加えても、同じような状況が確認された。さらに、就業構造基本調査(1992年から2007年)の匿名データを用い、子どもを持つ母親の中でのシングルマザーの割合を、母親の学歴別に計算することで、どの程度シングルマザーが出現しているかを検討した。コーホート別に分析した結果、(1)中学卒・高校卒の学歴において、より後の時点に生まれたコーホートでシングルマザーの割合が高まっている、(2)コーホート間の違いが大きい、の2点がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、オンサイト施設を利用しての統計データの分析を実施してきたところである。研究代表者がオンサイト施設を利用するには、北海道から東京へ移動をして利用する必要があるが、新型コロナ感染拡大に伴う移動制限や感染予防の観点から、オンサイト施設を利用しての分析は、制約を受けた部分があった。そのため、匿名データや公表集計データを用いた分析を実施したが、これらのデータでは、地域区分や利用できる年次が限定されているという制約があった。
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今後の研究の推進方策 |
オンサイト施設を利用にも一定程度習熟してきたので、2023年度にはそこで得られた成果を発表し、意見をきいたうえで、問題点の修正に取り組みたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度中には、新型コロナ感染予防の観点から長距離の移動を控えていた時期が一定程度あった。そのこともあり、オンサイト施設での集計作業が停滞しており、年度末近くの時期に集計に問題点が見つかっても、年度内に修正した結果を取得できなかった部分もあった。2023年度には、これまでの蓄積をふまえ、集計作業の完成度を高める研究計画を立てている。そのために、2023年度には、オンサイト施設の訪問を中心として、研究費を支出する計画である。
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