研究課題/領域番号 |
19K01693
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
坂本 直樹 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (80367937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地方財政 / 幸福度 / 便益評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「幸福度調査」に「地方財政状況調査」を組み合わせたデータセットを作成して幸福度関数を推定することにより、地方公共団体の財政構造や財政運営が住民の幸福度にどのような影響を与えるか、地方公共団体がどのような財政運営を行うことにより住民の幸福度を高めることができるかを明らかにすることである。 本年度は、山形大学人文社会科学部倫理委員会の承認を得て、インターネットリサーチ会社を通じ、幸福度調査を実施した。調査対象は20~69歳までの山形県民約1000人であり、2023年10月1日現在の人口構成を再現できるように、男女比および10歳刻みの年齢構成に関して割付を行った。調査は2024年2月に行われた。これはコロナ禍前に山形県を対象として実施した「幸福度調査」が同月に行われたためである。これにより、コロナ禍の前後で比較分析が可能となる。設問には、一般的な幸福度調査で用いられる設問とともに、居住する自治体の、①公共施設やサービスに対する満足度、②財政への関心度、③財政状況の認知度、④重税感、⑤災害リスクの認知度、⑥救急医療水準の認知度も尋ねた。これにより、行財政の捉え方に関する個人の異質性を考慮した分析が可能となる。また、昨年度までに取りまとめた心肺停止傷病者の救急搬送時間短縮便益の計測に関する論文について、理論、実証、便益計測それぞれについて内容を精査して英文の校正を行った。加えて、自然災害のリスク軽減に関する地方財政の研究も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は新たな視点からの研究の実施など一定の進捗はあったものの、新型コロナの影響等により研究計画が遅延しているため。
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今後の研究の推進方策 |
幸福度関数を推定して地方公共団体の財政を評価するために必要な経済理論(厚生測度等)および統計手法(順序反応モデル等)についての検討結果を踏まえて、「幸福度調査」に「地方財政状況調査」を組み込んだ幸福度関数を多重レベル分析により推定し、地方公共団体の財政構造や財政運営の経済評価を行う。ただし、「地方財政状況調査表」は地方公共団体ごとに数多くのデータ項目があり、これらをすべて同時に幸福度関数の説明変数として組み込んで分析するのは現実的ではない。そこで、「地方財政状況調査表」のデータを歳入、歳出、財政指標の3つのカテゴリーに分け、カテゴリー別に幸福度関数を推定して分析するほか、「地方財政状況調査表」にない財政指標や目的別歳出の指数、救急医療水準、自然災害リスクに関する分析も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査のサンプル数を調整して、次年度の研究費を確保したため。
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