研究課題
基盤研究(C)
本研究では,社会経済的に不利な状況に置かれた生徒個人に焦点を当て,社会経済的に不利な状況にある生徒が学業および関連する諸側面において,その不利な状況に適応して一定水準以上の成果を達成する資質・能力を「アカデミック・レジリエンス」と定義し,アカデミック・レジリエンスの形成に資する教育政策を模索した。生徒個人レベルのデータを活用した実証分析の結果,学級規模の縮小がアカデミック・レジリエンスの形成に有効であることが確認された。
教育経済学
本研究では,国内の学校から収集されたデータを用いて,学級規模の縮小が,社会経済的に不利な状況に置かれた生徒の学力を向上させることを確認した。同様の分析結果は米国をはじめとする海外でも報告されており,本研究の結果はそれらを追認するものであると位置付けられる。国内では,経済的な格差の拡大・固定化が進み,子どもの貧困が問題視されるようになって久しい。本研究の成果は,子どもの貧困に起因する学力格差の是正に,少人数学級政策の推進が有効であることを示した点で社会的な意義は大きいと考えている。