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2022 年度 実施状況報告書

採用市場における企業評価情報の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K01706
研究機関同志社大学

研究代表者

木村 寛子 (奥平寛子)  同志社大学, ビジネス研究科, 准教授 (80550954)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード情報の非対称性 / 新卒労働市場 / 採用
研究実績の概要

深夜残業があるか、昇進に男女差別があるか、といった企業内の労働環境に関する情報(以下、企業内情報)の非対称性を解消することは、求職者だけではなく、社会全体の厚生を改善させる可能性がある。企業内情報が公開されることにより、求職者が条件の悪い企業への応募を避けるようになり、結果として、長時間残業や男女差別の深刻な企業を労働市場から淘汰することができるかもしれないからだ。本研究では、労働環境に関する情報の非対称性が解消されることによって、①求職者の応募行動が変化したり、②労働環境がどの程度まで改善されたりするのかを統計的に検証する。

仮に、情報が求職者の応募行動や労働環境を変化させないとすれば、たまたま同じ地域の労働市場では同様の就業機会が存在しないため、労働者には他に選択肢がない等のメカニズムが考えられる。こうした状況は、労働市場に「摩擦が存在する」と表現され、企業が賃金決定などに買手独占力を発揮するケースにあたる。本研究では、近年の関連研究に基づき、企業内情報が不利益な労働環境を解消しないとすれば、どのような地理的・時間的摩擦から生じるものなのか等、背景のメカニズムを検証し、社会厚生を向上させるための具体的な手段について考察する。

今年度は昨年に引き続きデータの整備を進め、分析を行った。具体的には、政府統計調査から企業内の労働環境を示す外部データとアウトカムデータを紐づけるためのプログラムを作成し、いくつかの分析を行うとともに、因果関係を識別するための推定手法を精査した。また、本研究課題に関連する研究成果について国際学会や国際ワークショップ等で報告を行い、国際査読誌への掲載を目指して改訂を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究成果を形にしたものについては順調に改訂を進めている。当初予定していた別の分析の一部に遅れが生じているため、この評価とした。

今後の研究の推進方策

分析中のプロジェクトについては、次年度も引き続き分析を行い、研究成果をまとめることを目指す。改訂中のプロジェクトについては、国際査読誌への掲載を目指して引き続き改訂を行う。

次年度使用額が生じた理由

分析の進捗が遅れており、次年度の研究遂行のために未使用額を繰り越すこととした。残額は、分析関連書籍または文具等に充当する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Uncovering Organizational Strategies Behind Employee Downsizing: Evidence from Product Turnover in Manufacturing Plants2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Okudaira
    • 学会等名
      日本応用経済学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Uncovering Organizational Strategies Behind Employee Downsizing: Evidence from Product Turnover in Manufacturing Plants2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Okudaira
    • 学会等名
      Japanese Economic Association and Korean Economic Association Academic Exchange Workshop
  • [学会発表] Does Employee Downsizing Work? Evidence from Product Innovation at Manufacturing Plants2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Okudaira
    • 学会等名
      Asian and Australasian Society of Labour Economics 2022 Conference
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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