今世紀になり、レビ過程を用いたオプション価格評価は数理ファイナンスにおいて注目を集めてきた分野である。フーリエ解析やモンテ・カルロ法などを利用することで、レビ過程を用いたファイナンスの諸問題に対処してきた。これらの研究は数理的に簡単とは言い難い面があり、レビ過程の金融実務での応用を遠ざけてきたことは否めない。本研究成果では、レビ過程を用いた株価モデルをツリーによって近似し、直観的に理解しやすいもののあまり効率が良くないと考えられがちだった本手法においても高速かつ高精度なオプション価格計算を可能とした。これにより、金融実務においてもレビ過程の利用が容易になるものと考えている。
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