本研究の目的は、M&Aと研究開発やイノベーション活動との関係を実証的に分析することである。企業のM&Aは、当該企業のその後の研究開発やイノベーション活動に、どのような影響を与えるのかという問いに対しては、replacement effectと呼ばれるイノベーション活動の低下を予想するものとrent dissipation effectと呼ばれるイノベーション活動の活発化を予想するものの相反する2つの仮説が存在する。分析の結果、事後的な企業のイノベーション活動の低下が見られ、replacement effectの存在が明らかとなった。
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