現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で予定していた計画のうち、特に(C) アンケートを利用した検証と(D) 経済実験を利用した検証について、過年度における新型コロナ感染症拡大に伴う外出抑制や対面授業縮小の影響で遅れが生じたため、本研究の進捗は遅れていると判断しました。 (A) 公的年金の財政状態や給付水準に関する確率的シミュレーションを実施し、以下の論文として公表しました。Kimura, S., Kitamura, T., and Nakashima, K. (2023) "Investment risk-taking and benefit adequacy under automatic balancing mechanism in the Japanese public pension system", Humanities and Social Sciences Communications, 10(494). (B) 退職後の消費・金融資産の増加が確認され、高齢者家計の行動が経済学の伝統的な理論とは整合的でないことがわかりました。これらの結果は論文にまとめ、国際学術誌に投稿しました。(C) 在職老齢年金の特定の廃止方法が年金受給の延期と就業継続に有効であることが判明し、これらの結果を論文にまとめ、国際学術誌に投稿しました。また、確定拠出年金の導入が中小企業で促進されたことや、金融資産蓄積に必要な投資信託への規制が多くの場合有効でないことが確認され、それぞれ論文にまとめ、国際学術誌に投稿しました。加えて、公的年金の受給延期には就業促進が重要であるという既存研究からの示唆を受け、在宅勤務による就業促進の可能性を分析し、結果を論文にまとめ、日本財政学会で報告しました。さらに、金銭的インセンティブが公的年金の受給延期に有効であることを確認し、この結果についても論文をまとめ、国際学術誌に投稿しました。
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