本研究の目的は,確定拠出年金の運営管理機関(運管)と加入者がどのような運用資産(投資信託等)を選んでいるかを明らかにすることである。運管については,100を超える運営管理機関(運管)の運用資産メニューを分析した結果,運管としての活動状況(運用商品提供数や情報開示への積極性)によって,運管間の違いが明確になった。「企業型」と 「個人型」の確定拠出年金の加入者の保有資産の集計データを用いた分析では,企業型・個人型DCの資産構成には差があり,世代別の分析では,20代・30代の若い個人型DCの加入者の資産選択は上の世代よりも合理的であること,DCの保有資産の構成は,他の私的年金と異なることがわかった。
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