今後の研究の推進方策 |
2020年度は、2019年度に予備的分析を行った、以下の研究を改善する予定である。2019年度の作業は、インド工科大学カンプール校のインターン生、研究室の卒業生、研究室の修士課程の大学院生らが分担して行った。この研究では、スポーツ選手の競技成績や移籍、スキャンダルなどの様々なイベントが、スポンサー企業の企業価値に与える影響と、スポーツ選手への関心を表すGoogle検索強度(Google search intensity)との関連性を検証している。Google検索強度は、消費者や投資家の関心を表す代理変数として、近年マーケティングやファイナンスの分野で利用されている。しかし、スポーツ・スポンサーシップ契約に関してGoogle検索強度を用いた先行研究は数少なく、我々の知る限り、Knittel and Stango (2014)のみである。
スポンサー対象としては、日本のゴルフ選手を対象とした分析と、Forbesが発表したThe World’s Highest-Paid Athletes 2019の上位50名にあたるトップアスリートを対象とした分析を行っている。イベントの内容は、競技成績に関するイベント、移籍、競技外のスキャンダルが主なものとなっている。イベントとスポンサー企業の株価との相関を検証するとともに、イベントによる株価への反応とスポーツ選手への関心との相関を、Google検索強度を用いて分析している。
Knittel, C. R., and Stango, V. (2014). Celebrity endorsements, firm value, and reputation risk: Evidence from the Tiger Woods scandal. Management Science, 60(1): 21-37.
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