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2020 年度 実施状況報告書

イノベーション・エコシステムにおけるハイブリッド・ファンド政策の機能及び効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K01762
研究機関早稲田大学

研究代表者

樋原 伸彦  早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授 (10434698)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードハイブリッド・ファンド / イノベーション / エコシステム / 官民ファンド
研究実績の概要

2020年度は全期間にわたりコロナ渦に見舞われ、海外における研究会・学会発表が難しく、また、海外を実際に訪問しての、研究者・大学などの研究機関・政府及びVCなどの関連機関との更なる関係構築は難しかった。しかしながら、下記のような研究活動を行うことができた。
1)認定VCプログラム及びそれに基づいてSTSプログラムを実行しているNEDOとの共同研究が進行した。STSプログラムでは日本で唯一のグローバルな意味でのハイブリッド・ファンド・プログラムが実行されている(日本で言うところの通常の官民ファンドはグローバルな意味でのハイブリット・ファンドとは言えない場合が多い)。STSプログラム開始(2015年)以降のすべてのハイブリッド・ファンド投資のデータの抽出が進んでおり、今年度中に分析結果がまとめられる予定である。
2)経済産業省系の国際経済連携推進センターとイスラエル・スタートアップ・エコシステムの共同研究が進んでおり、コロナ渦の状況が改善すれば、今年度中にイスラエルに研究出張の予定である。
3)政策研究大学院大学(GRIPS)と日本の大学発ライフサイエンス・スタートアップ創出のためのハイブリッド・ファンドの有用性についての研究が進行中。10ほどの医学部の橋渡し拠点とのインタビューを終え、Working Paperの改訂を行っている。数量的な分析を今年度中に追加する予定。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ渦により、予定していた海外への研究出張が実現できず、その面で研究の進捗が少し遅れている。具体的には、イスラエルへの研究出張が2020年度できなかったため、イスラエルの企業データ・セットの構築が予定より遅れている。その結果、まだ査読雑誌へ投稿できる段階に2020年度は至らなかった。海外出張ができない状況を補うべく、在日イスラエル大使館を通してイスラエル政府との関係構築を進め、イスラエル政府とのセミナーなどの共同事業を下記の通り2,3行なっている。
日本のスタートアップ企業とハイブリッド・ファンドのデータ構築は順調であり、2021年度中盤には分析結果をまとめ、学会発表・査読論文としての発表につなげていける状況にある。また、大学発の特にライフサイエンス分野・スタートアップへのハイブリッド・ファンドの適用可能性がインタビュー調査を通じて明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

日本のハイブリッド・ファンド制度であるNEDOのSTS(Seed-stage Technology-based Startups)プログラムが適用されているスタートアップ企業と認定VCのデータ分析に基づく調査結果をまずは今年度発表する。その上で、STSに属するスタートアップ企業及び認定VCとの比較で、コントロール・グループとなり得る企業及びVCを抽出し、STSグループとの比較からSTS制度の有効性を検証する。
また、イスラエル企業及びVCの同様のデータが構築され次第、日本との比較も行い、異なるエコシステム(イスラエル及び日本)の状況がハイブリッド・ファンド政策の有効性にどのような影響を与えるのか検証する。
さらに、日本におけるライフサイエンス分野の大学発ベンチャーの情報収集が進行中なので、ビジネス・セクターの違い(典型的には、ICT分野vs.ライフサイエンス分野)がハイブリッド・ファンド政策の有効性を左右するのかどうかについても検証する。
以上の論点についてまとまり次第、学会発表及び査読ジャーナルへの投稿を行う。

次年度使用額が生じた理由

予定していた海外出張がコロナ禍の影響により実施できなかったため。

備考

【Working Paper】隅藏康一・黒河昭雄・樋原伸彦・菊地乃依瑠・渡邉万記子(2021) 「医療分野の特性に合った基礎研究・応用研究・実用のイノベーション・エコシステム 構築に関する提案」(SciREX)

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      https://www.cfiec.jp/jp/pdf/gpr/november2020-issue.pdf

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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