研究課題/領域番号 |
19K01763
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
志村 裕久 創価大学, 経営学部, 准教授 (80768250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | データ包絡法 / デンマーク金融システム / ローン効率化モデル |
研究実績の概要 |
1)国内での事前の準備を行った上、デンマークへ出張し、デンマーク金融庁、ダンスク銀行、コペンハーゲンビジネススクールへの訪問を行った。 デンマーク金融庁では、本研究の概要についてお話をする機会を頂き、モデリングに必要なデータベース構築に対する様々なアドバイス及び公開されているデータについて示唆を頂いた。しかしながら、当初考えたモデリングでは十分な結果が得られるないことを示唆され、今後の研究課題が明らかになった。デンマーク大手銀行であるダンスク銀行との面談をすることができて、本研究についての説明を行ったところ、高い関心を示してくれた。また、デンマーク金融システムの特徴等についてもアドバイスを頂いた。日本とは異なるシステムであるため、北欧諸国においても、類似性があるものの各国の金融システムが異なることを学んだ。このことは、今後、このモデルを使って、他諸国の金融システムを研究する際には重要な示唆であった。また、コペンハーゲンビジネスでは、デンマーク金融システムに造詣が深い学者との面会ができ、本研究のモデリングに対する様々な示唆を頂いた。 2)データベースの構築を行った。 本研究のモデリングに必要なデータベースを構築する必要があり、デンマーク金融庁からのアドバイスにより、モデリングに必要なデータベースを構築することができた。 3)初期モデリングの研究開始 1)、2)から、モデリングの研究を開始したが、デンマーク金融庁で指摘された実務的な運用に耐えられるモデリングは難しいことを示唆されたが、まずは簡潔した初期モデルを作成することから着手した。また、モデリング以外でも、パラメーターの選択やモデリングを複数の階層にするなどの研究が必要と感じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にある本年度は、デンマーク金融庁に本研究の概念を説明し、本研究に必要な示唆を頂く機会に恵まれた。モデリングに必要なデータの取得方法、デンマーク金融システムを理解するために必要な知識等を理解することができた。 帰国後は、デンマーク金融庁からの教えていただいた資料等から、モデリングに必要なデータを入手し、研究用のデータベースを構築した。したがって、次年度からのモデリングに必要なデータベースを構築することができたため、モデリング構築に向けた土台を作り上げることができた。 また、デンマーク大手銀行であるダンスク銀行との面談をすることができて、本研究についての説明を行ったところ、高い関心を示してくれた。また、デンマーク金融システムの特徴等についてもアドバイスを頂いた。日本とは異なるシステムであるため、北欧諸国においても、類似性があるものの各国の金融システムが異なることを学んだ。このことは、今後、このモデルを使って、他諸国の金融システムを研究する際には重要な示唆であった。 以上のように、現地調査により、1)モデリングに必要なデータを入手したこと、2)日本ではわからなかったデンマーク金融システムの独自性、3)デンマーク金融庁およびダンスク銀行からの貴重なアドバイスを頂いたことで、本研究初年度の成果としてふさわしい研究を行えたと思っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究予定としては、1)初期モデルの構築と2)現地調査におけるモデルの初期評価である。 1)データ包絡法では、パラメーターによる出力結果が大きく異なるため、パラメーターの選択が重要である。今年度は、まずは当初計画したパラメーターを用いてモデリングを完成させることを目標とし、その後、現地ヒアリングんを行い、その結果をもって、パラメーターの再選択を行う予定である。そして、最終的には実務運営に耐えられるモデリングを行う予定である。 現状のところ、昨年完成したデータベースには必要最低限のデータが格納されているため、当初予定していた単年度のデータだけでなく、複数年度のデータを使って、デンマークにおけるローン効率性分析が行えるものと考えておる。 一方で、コロナウィルスの影響によりオンライン講義に対応すべき準備時間が多くとられているが、現時点ではほぼ挽回できる環境におり、当初の計画通りの初期モデルの構築はできるものと考える。 2)現地調査に関しては、コロナウィルスの影響で、本年夏にデンマーク現地へ赴くことが大変難しいと考える。したがって、訪問時期の見通しは立てにくいが、まずは、初期モデリングを完成させて、いつでも、現地調査をできるまでのモデリングの構築を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベース構築での費用が抑えられたことで、国際学会での発表や論文作成費用に充てたい。
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