研究課題/領域番号 |
19K01780
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鷲崎 俊太郎 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (50306867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近世 / 近代 / 江戸 / 東京 / 土地市場 / 不動産経営 / 利子率 / 大阪 |
研究実績の概要 |
2020年度は,新型コロナウイルス感染症対策による県外への移動自粛,および海外への渡航自粛のために,国内における史料収集(たとえば,国文学研究資料館所蔵の尾張国名古屋犬山屋神戸家文書,三井文庫所蔵の大坂両替店「店持抱屋敷勘定目録」など)が,ほとんどできなかった。 また当初は,2020年11月18-21日に,Washington D.C.で開催を予定していたSSHA(Social Science History Association)の2020 Annual Conferenceにおいても,Assistant Prof. Macabe Keliher(Clements Department of History, Southern Methodist University)をコーディネーターとする"Capital and Capital Markets in Early Modern China and Japan.”というパネルディスカッションに参加し,"An Analysis on the Determinants of Land Purchase and Sale in the Japanese City in the Early Modern Period -A Case Study of Tsukiji and Asakusa Areas in Edo-"という報告を担当することになっていたが,学会の開催自体がキャンセルとなってしまった。 そのうえに,オンライン授業化に伴うオンデマンド講義の録画準備に大きく時間を割かれてしまったために,残念ながら大きな研究実績を残すことができなかった。わずかに,年度末になって,ようやく大津市歴史博物館を訪問し,近世大津宿における土地売買史料・土地評価史料の調査を実施しえたに過ぎない。 この遅れた分は,2021年度の研究計画に付け加えて行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述したように,2020年度は,新型コロナウイルス感染症対策の影響で,県外・海外への移動が叶わず,国内での史料収集や海外での学会発表が,ほとんどできなかったうえに,オンライン授業の準備に多大な時間を費やしたために,研究の進捗は遺憾ながら遅れていると自省せざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
江戸の家質貸に関して,尾張国名古屋犬山屋神戸家文書の「家屋敷書入借金帳」(全6冊,元禄4年~享保15年,国文学研究資料館所蔵)の史料収集とデータ解析を実施する。 また,新たに近江国東海道大津宿における宿場町の土地売買史料の存在が判明したために,大津市歴史博物館を訪問して,その収集とデータ解析に努める。 大阪の大名貸に関しては,宮本又次編[1963]『近世大阪の物価と利子』創文社の「大名貸証文による藩別貸付状況」の一覧に掲載されている338件の大名貸について,データベース化を終了しているので,その利子率変動要因を,他の一次資料・二次文献を利用して肉付けを通じて検討し,学会誌での発表を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策に伴う出張・海外渡航の自粛に伴って,旅費をほとんど使いこなすことができなかった。その予算の一部は,物品費へ移行し,次年度に行う研究のための設備費・消耗品費として使用したが,残額は次年度での旅費に使用する予定である。
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