研究課題/領域番号 |
19K01781
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
竹内 祐介 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
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研究分担者 |
兒玉 州平 山口大学, 経済学部, 准教授 (30644405)
李 海訓 東京経済大学, 経済学部, 講師 (70757278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 北満 / 日本帝国 / ハルピン / 南満洲鉄道 / 中東鉄道 |
研究実績の概要 |
本年度は、3年間の共同研究の初年度にあたるため、それぞれが自身の研究の基礎作業である資料調査やデータ入力に取り組むことに注力した。代表者・分担者のそれぞれが国内外で資料調査を実施し、特に代表者は収集した鉄道統計資料のデータベース化や中国で編集・刊行された資料集の目録のデータベース化作業などをおこなった。 また、夏には問題意識および基礎資料の共有のために、山口大学にて3日間の研究会と資料調査をおこなった。研究会ではそれぞれの研究課題のアイディアを交換するとともに、本共同研究のオリジナリティをより明確にするため、当該研究課題と密接に関連する先行研究の検討をおこなった。具体的には、本共同研究の目的が、北満(北満洲)地域の周辺地域との経済的関係とそれらを含む再生産構造を検討すること、および北満と南満(南満洲)の比較、にあることから、ロシアと北満地域との関係史を描いた先行研究(麻田雅文2012『中東鉄道経営史』名古屋大学出版会)、および、南満における鉄道・馬車を中心とした流通や金融のメカニズムを対象とした先行研究(安冨歩・深尾葉子編2009『「満洲」の成立:森林の消尽と近代空間の形成』名古屋大学出版会)を検討した。 一方、春におこなう予定であった京都資料調査(京都)および研究会(東京)については、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を鑑み、中止とした。なお予定していた内容は、夏同様に先行研究の検討を通じた問題意識の共有と、中国で編集・刊行された南満州鉄道関係資料の調査である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年明け以降の新型コロナウィルス感染拡大にともなう国内外調査および研究会の中止などの影響により、予定していた初年度の到達目標にはやや遅れているといわざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き資料調査とデータ入力等の基礎作業を行いつつ、それぞれの課題に即した分析作業に入る予定である。但し、新型コロナウィルスの影響が継続する限りは、今年度中の国内外の調査および研究会の実施が困難になる可能性がある。今後の情勢をみはからいながら、オンライン上での打合せへの切り替えや、資料収集についても、既刊の資料集の購入などに切り替えて対応することを検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
夏に予定していた代表者の海外調査が家庭の事情により中止せざるを得なかったことと、冬から春にかけて実施を予定していた調査旅行および研究会が新型コロナウィルス感染拡大の影響を鑑みて中止としたことが理由である。 新型コロナウィルスの影響がいつまで続くかは不透明だが、比較的早期に収束される場合には実施できなかった国内外の資料調査や研究会の実施に使用し、それがかなわない場合には既刊の資料集の購入などを検討する。
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