研究課題
基盤研究(C)
本研究は、製糸業を通して、女性の労働と近代日本の経済発展の相互関係を明らかにするものである。1872年から1987年まで操業した富岡製糸場における政府の支配、資本所有、ジェンダー化された労働条件の変遷を探ることで、グローバルヒストリーにおける新潮流のなかで、女性の労働環境を再評価した。富岡製糸場に関係した女性たちの労働生活をたどることは、世界的な絹産業が生み出した国際的なつながりだけでなく、近代日本の資本主義の発展と労働政策の歴史的な転換をも示していると言えよう。
労働史
本研究は、国際的な労働史研究の新潮流を踏まえ、日本の女性労働史を再検討するものである。具体的には、近代日本の経済発展を底辺で支えた製糸業に焦点を当て、多くの女性労働者を雇用し続けた製糸工場の代表的存在である富岡製糸場の事例から、女性労働環境の歴史的変遷を明らかにした。これは、「女性活躍」が求められる現在、女性の働き方がどのように変遷してきたのかを正しく理解することにつながるものといえよう。