| 研究課題/領域番号 |
19K01793
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| 研究機関 | 神奈川大学 |
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研究代表者 |
松村 敏 神奈川大学, 経済学部, 教授 (60173879)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 大名華族 / 華族資産家 / 華族 / 大藩大名華族 |
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| 研究実績の概要 |
当初の計画通り、まず明治後期における加賀前田家と旧加賀藩家老横山家の史料分析を行った。とくに前田家については、公益財団法人前田育徳会所蔵史料の閲覧・筆写を行った。ただし明治後期（および大正期以降）の所蔵史料は膨大にあるため、また2020年2月末頃からコロナウイルスの関係で同会の閲覧が停止されたこともあり、いまだ終了にはほど遠い。さらに当初所蔵が確認されていなかった決算関係史料が存在することが判明し、閲覧・筆写を要する分量はさらに増加した。前田家について判明した点は、たとえばやはりきわめて慎重で熟慮したうえで行う投資姿勢が特徴的であり、評議会の機能も健全に機能していた。また親戚である有栖川宮家からの再三にわたる多額の資金援助要請を断ることはできず多額の出費を強いられていたし、日清・日露戦に際しては、巨額の軍事公債に応募し、そのために多額の借入も行っていた。
当初予定にはなかったことであるが、これらの作業と並行して、前田家と対比する意味で、旧萩藩主毛利家について、とくに明治前期を対象として史料分析を始めた。現在分析途上であるが、前田家と比較してきわめて興味深い点が種々判明しつつある。たとえばやはり同家は前田家と異なって、近世から継承した資産がきわめて多く、明治9年頃、それが資産の半分を超え、それもあってその頃、全金融資産は前田家を上回っていたことがわかった。さらに投資のポリシーやリスク許容度も前田家とは異なっていることも判明した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初から史料の所在や分量はだいたい判明していたから、おおむね計画通りの作業を行っているためである。ただし当初予定になかった毛利家の分析を開始し、これが本研究全体において重要な位置を占めることが徐々に判明してきており、研究全体の規模はやや膨らんでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
コロナウイルスの関係で、前田育徳会における史料閲覧が一時停止されており、これが早く再開されることが重要であるが、横山家および毛利家についても、すでにかなりの量の史料を入手しているので、やれることはいくらでもあり、作業可能なことから順次実施していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの関係で、年度末頃の史料調査旅費を使用できなくなったこと、および他の経費で史料調査を行ったことなどによる。
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