研究課題/領域番号 |
19K01806
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
吉澤 康代 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (60567379)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ワークモチベーション / キャリア後期 / 高年齢者 / 人材マネジメント |
研究実績の概要 |
本研究は、「ライフキャリアにおけるワークモチベーションのダイナミズムと要因的経験のモデル化(16K03868基盤研究(C))」の調査研究をベースに、対象をキャリア後期(50代後半以降から60代)」へと絞り込み、発展的に展開するため、旭化成株式会社の協力を得て50代後半~60代社員(413名)を「ポストとジョブの変化」と「ワークモチベーションの状況」の点から分類し、ヒアリング調査を計画した。 しかし、2020年3~4月緊急事態宣言を受け、移動と対面によるヒアリング調査が困難となり、調査はいったん延期とし、その間、過去に実施した調査結果の再分析及び論文執筆を行った。調査結果の再分析ではM-GTAを用いて、50代前半A社社員のワークモチベーションをワークモチベーションの向上要因と低下要因とにわけ、これまでの移り変わりのモデル化を試みた。 2021年2月には調査協力者に対して再分析結果の報告会を行い、50代前半の追加調査として「役割モデル(リーダーシップやマネジメントを発揮することではなく、自分の役割を発揮できることがワークモチベーション向上要因)」における「役割発揮」の多様さを明らかにし、その支援のあり方を検討する必要性が浮上した。また、新型コロナウイルス感染症の状況と調査対象者がオンライン環境に対応可能となりつつあることを鑑み、調査実施に向けた検討会を実施した。その結果、本調査は方法をオンラインによるヒアリング調査へと変更し、上記と同様の点から調査対象者を再度抽出し直し、調査項目の精査を行い、実査に向けた準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では調査内容が対象者の内面に関する事が中心となるため、対面によるヒアリング調査が適切と考え、新型コロナウイルス感染症が収束するのを待った。また、対象者が50代後半~60代と比較的重症化しやすい年齢であることと、同年代層はオンライン環境への適応に時間を要することから、ヒアリング調査の方法と時期を慎重に見計らう必要があり、本研究当初予定よりも遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究のヒアリング調査は、調査協力者の旭化成株式会社担当者からオンラインによる実施が十分可能な状況であることを確認できたことから、2021年度以降はオンラインを活用した方法に変更して進める。オンラインを活用することで、移動時間を節約できることから、これまでの遅れを取り戻せる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大による非常事態宣言や本務校の県外移動禁止命令などにより、研究会への参加、調査協力者との打ち合わせ、調査などにかかる出張旅費が支出されなかったことが大きな理由である。一方、オンラインを活用した実施形態が当面維持されることから、オンラインでの活動に不自由がないように環境整備への支出と、オンラインで参加可能な研究会や研究活動を模索し、活動領域を広げるための支出に使用する予定である。
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