研究課題/領域番号 |
19K01810
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
鹿住 倫世 専修大学, 商学部, 教授 (00349193)
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研究分担者 |
高橋 徳行 武蔵大学, 経済学部, 教授 (60366838)
河合 憲史 上智大学, 経済学部, 准教授 (20867478) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 女性起業家 / やり甲斐 / 満足度 / 自己効力感 / ビジネスコミュニティ |
研究実績の概要 |
女性の起業におけるやり甲斐、生き甲斐、働き甲斐について、質問紙調査および事例調査を行い、政策的支援のあり方を検討した。 2021年度に実施した、最近10年以内に起業した男女に対するウェブ質問紙調査の分析を行った。新型コロナウィルス感染症の蔓延により、起業や事業経営活動に影響が生じ、その結果、起業や事業経営のやり甲斐等が低下していることが予測されたが、回収されたサンプルの女性起業家は、全体的に男性より起業活動に対する満足度が高くなっていた。新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって、業績が悪化したと回答したサンプルも多かったが、女性起業家の中でも、ソーシャルネットワーキングシステムなどのウェブ上のコミュニティに所属している人は、コミュニティから経営に関する情報や心理的なサポートを受けており、満足度の高さに影響しているものと思われる。また、経営する会社でウェブサイトを開設するなどIT化に注力している女性起業家は、新型コロナウィルス感染症の拡大時期においても業績がそれほど下がらず、むしろITを活用した新たな事業機会を発見し、それを活用していた。これらの質問紙調査から、女性の起業におけるやり甲斐等は、男性起業家と比較して概して高いことがわかったが、回答者の経営する事業の売上げ規模が男女で大きく異なり、女性のほうが有意に小規模であることから、経営する事業の規模と経営に対する満足度は関係があることが予測される。 さらに、具体的なやり甲斐、生き甲斐、働き甲斐の内容を明らかにするため、事例調査を行った。特に起業支援プログラムに参加した女性の起業前後における心情の変化を分析した結果、起業の準備を通して「一歩前に踏み出せた」「自信がついた」など、自己効力感が向上し、やり甲斐や生き甲斐、働き甲斐の向上が見られた。
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