研究課題/領域番号 |
19K01819
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
田中 秀樹 同志社大学, 政策学部, 准教授 (90567801)
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研究分担者 |
佐藤 厚 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (10388051)
石山 恒貴 法政大学, 政策創造研究科, 教授 (30647227)
柿沼 英樹 流通科学大学, 商学部, 准教授 (00780529)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | タレントマネジメント / 次世代幹部育成 / キャリア管理 / 日本型雇用慣行 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,企業内における次世代幹部候補人材の早期選抜(いわゆるタレントマネジメント)が進む中で被選抜者及び非選抜者や職場に与える影響を明らかにして,従前の日本型雇用・人材育成からの変容について考察することである。 本年度は,科研費研究チーム全員でアンケート調査を実施するとともに,各自の個別研究トピックスに関する研究活動を進めた。アンケート調査においては,企業における次世代幹部育成状況などについて,1207名(第1回目),856名(第2回目)から回答を得ることができた(2波での調査であり,856名は第1回目調査にも回答)。現在,これらのデータの分析を実施しており,書籍出版に向けての準備中である。 また,研究代表者・分担者ともに,これまで行ってきたレビューや文献書誌学的分析結果について学会やシンポジウムで発表した。 シンポジウムにおいては,日本企業におけるタレントマネジメントに関する定性的・定量的研究の紹介,日本型人事システムとタレントマネジメント実践の異同についての議論を行った。具体的には,日本の昇進構造の特徴である「遅い選抜」「即座に負け組を作らない入社初期段階での人材育成」などは選別的アプローチに基づくタレントマネジメントと異なる点が多い点,それらを理由に早期選抜への舵切りへの懸念などについて議論した。 また,定期的にオンライン研究会を開催して,選抜/非選抜意識が従業員の心理や職場に与える影響などについて議論を重ねており,上述の書籍内容に反映される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来であれば1年目である昨年度に実施する予定であったアンケート調査を実施した。昨年度はコロナウィルス感染拡大防止による企業の在宅勤務率向上によって郵送調査を断念せざるをえなかったが,アンケート実施方法をオンライン調査に変更することで,相当数のサンプルからアンケート回答を回収できた。 アンケート回答が揃ってまもなく,各自が分析を進め,定期的(月1回ペース)に研究会を実施して進捗報告を行っている。各自研究の進捗報告を行うとともに,書籍(メンバー全員参加の共著)出版に向けての計画も着々と進んでいる。 以上のように,昨年度生じた遅れを取り戻し,当初スケジュール通りに戻りつつある。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように,アンケート調査データを使用して,書籍(共著書)出版を念頭に分析を進めている。また,書籍にて行う分析とは異なる分析については,学会発表や国内外学術誌での投稿を行う予定である。来年度は最終年度であるため,成果創出のための一年となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート実施にあたり,前倒し請求を行ったものの,調査規模の関係上,前倒し額全額を調査経費として使用することにならなかった。そのため,余剰額が出ている。 来年度においては,書籍出版準備に係る打ち合わせや英文校閲などが生じるので,それらに活用する予定である。
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