研究実績の概要 |
本年度は、室内清掃ロボット及び運搬ロボットをアプリケーションとした運用ガイドラインの標準規格化に向けた実証実験及びガイドライン雛形の作成を行った。 ロボットの運用は安全性の担保が必須である。したがって、本研究では日々の運用にあたって「人流の状況に十分配慮しつつ、絶対にアクシデントが発生しないように監視人を配置し、仮にアクシデントが発生したとしても損害に対する保険的な対応の手続きが備えられているなど」細心の注意が図られている。しかしながら、「人を含む周辺環境の持続的な Safety, Security, Privacy の確保」という観点からは、「監視人による注意や経験則」に頼った現行のシステムが最適であるとは言い難い。形式知化された運用ガイドラインやガイドラインに基づく運用体制の整備が必須である。本研究では、Safety, Security, Privacy に配慮したロボット運用ガイドラインを策定し持続的にリスクマネジメントを図ることのできる仕組みづくりに着手した。 加えて、CPS(Cyber Physical System)や IoT が先導的な役割を果たしているように、サイバー空間と物理空間をクロスオーバーして「自律性を持った様々なシステムが相互に接続し生活基盤や産業基盤を形成するシステム(System of Systems: SoS)」が社会を支える未来像になりつつある。したがって、SoS 固有の「事前に予測することのできないインシデント」に対してどのように向き合うのかは、システムの提供側にとってもユーザにとっても重要な課題となる。本研究では、固有のインシデントに適応することのできるガバナンスメカニズムとアジャイルにリスクマネジメントを図ることのできる仕組みづくりに着手してきた。
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