研究課題/領域番号 |
19K01829
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
森 樹男 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (80250588)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Brexit / EU離脱 / 地域統括 / 日系企業 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地域経済統合の後退が多国籍企業の組織構造や組織体制に及ぼす影響を明らかにすることにある。すなわち,地域経済統合の後退が多国籍企業の組織に及ぼす影響を明らかにするとともに,グローバリゼーションの進展を前提とした多国籍企業の組織理論は,グローバリゼーションの後退局面で適用できるのかどうかの検討を行うことを目的として実施するものである。 これに基づき,本年度は,文献研究,現地でのインタビュー調査,そしてアンケート調査の準備を行うこととしていた。 文献調査としては,Brexit関連の書籍などを購入し,文献研究を進めた。これにより,Brexitに至る経緯を整理することができた。また,理論研究の側面では,先行研究を整理するとともに,研究の傾向について確認できた。すなわち,これまで統合理論やプロセスについての研究は多くなされてきたものの,英国のEU離脱にみるような非統合理論や統合とは逆方向に進むプロセスについての研究があまりなされてこなかったことなどが確認できたということである。 一方で,現地で実施予定であったインタビュー調査は,英国のEU離脱のスケジュールが2019年10月末から2020年1月にずれ込んだことから,現地調査時期を2019年10月から2020年3月に変更し,準備を進めていたところであったが,新型コロナウイルス感染症の影響から現地への渡航ができなくなり,インタビュー調査の実施を延期することとした。 以上のように,本年度の成果としては,文献研究により,Brexitに至る経緯や研究の動向について確認したことをあげることができるものの,現地調査については,準備にとどまっているということになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れが生じている理由として2点挙げることができる。一つは,当初英国のEU離脱は2019年10月末というスケジュールで進められていたものが,英国とEUの話し合いがつかず,2020年1月末に離脱がずれ込んだことにより,現地調査の実施スケジュールがずれ込んだことである。もう一つは,新型コロナウイルス感染症拡大の影響から,現地に渡航して調査を行うことができなくなったことから,英国のEU離脱に関する情報が得られにくくなったことである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の収束に目処がつかないと現地でのインタビュー調査が実施できない状況である。またアンケート調査に関しても,現地の日系企業がアンケート調査等に協力できる程度に落ち着いた状況になるまで,実施を延期せざるを得ないと考えている。 現状としては,新型コロナウイルス感染症の収束を待った上で,現地からの情報をもとに,現地調査やアンケート調査の実施を進めていくこととしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
英国のEU離脱の時期が,当初の予定である2019年10月より遅れ2020年1月末になったことと,新型コロナウイルス感染症の影響で現地調査ができなかったことによる。 今後は,新型コロナウイルス感染症の収束次第ではあるが,収束後に現地調査ができるよう準備を行い,現地調査を実施する予定である。
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