研究課題/領域番号 |
19K01836
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中山 健 横浜市立大学, 国際商学部, 教授 (50248829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 後継経営者 / 企業成長 / 経営戦略 / マーケティング戦略 / アントレプレナーシップ / 中小企業 / 事業承継 / 創業経営者 |
研究実績の概要 |
後継経営者の経営戦略と企業成長に関して、初年度は主に先行研究(文献)の収集と関連分野の理論のレビューを行いながら、今後実施する予定のアンケート調査の概要(調査目的、調査対象、調査手段、全体ボリューム、実施時期等)をまとめることが出来ており、概ね1月までは予定通りの進捗であった。その後、アンケート調査の詳細設計に先立ち行う予定の企業調査や国内で開催される経営学関連、アントレプレナーシップ関連学会ならびに海外で開催される国際学会への参加により後継経営者の経営行動に関する情報収集を2020年2月~3月にかけて実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の国内での蔓延と世界規模でのパンデミックにより、国内調査、海外調査とも実施することが急遽出来なくなった点は不可抗力とはいえ残念であった。また、感染拡大により経済活動が停滞し企業業績も急激に悪化したため、主に中小企業を対象にしたアンケート調査項目において業績の変化、企業成長、創業者と後継経営者の違いや相互の関連性を数値として扱った場合に成長度の分布が低成長領域にほとんどの企業が集中してしまい仮説構築が十分行えないことになる点が大きな懸念材料となってしまった。また、対象地域の選定に関して、例えば都市型地場産業と地方における地場産業、大企業を中心に形成される企業城下町などの産業集積地のどこを選定するかという点に関しても感染拡大の影響による全国的な景気悪化のため困難な状況にある。さらに衰退業界と成長業界における後継経営者の違いを探るために選定すべき対象業種に関しても産業全体の売上急減が選定を難しくしている。いずれにしても、新型コロナウィルス感染拡大により第4四半期における情報収集、事前調査の実施、調査票の概要設計が十分行えなかった点は大変残念であった。 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述した遠り、2019年4月から12月ぐらいまでは本研究は順調に進んでいた。しかしながら、2~3月の間の研究活動は、既に新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けストップしてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大と緊急事態宣言の5月末までの延期が発表された。予期しない事態の発生により研究が思うように進まないこと、地域間移動の制限により海外調査、海外及び国内学会参加、国内企業調査等が現状では困難であることが研究の進捗を妨げる大きな障害となっている。また、以上を終えたとしても、その後の中小企業経営者へのアンケート調査に関しては、新型コロナウィルス感染拡大により多くの中小企業の業績が悪化している状況にあるため、業績の良い企業と業績の悪い企業の2グループ分けが困難であることが研究自体の実施の困難性を招いている。今後のコロナ感染の収束と経済活動の全面的再開が本調査・研究を進めていく上で不可欠である。現時点では、アンケート項目をコロナ不況という予期しない環境変化に対してどのような戦略を実行したかという点について2世代間で比較できないか、検討してみる予定である。とにかく今後の状況を見守りながら柔軟に対応していきたいと考えている。、
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次年度使用額が生じた理由 |
第4四半期において実施する予定だった先行研究調査の一環としての国内調査、海外調査、アンケートの概要設計とプリ調査等が新型コロナウィルス感染症の蔓延によって実施できなかったのが、上記残額が生じた大きな要因である。次年度は、それら積み残し分を計画の中に盛り込んで実施する予定である。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症の終息時期がいつになるかが不明な状況にあるため、計画内容の一部変更やアンケート調査項目の内容変更も踏まえて考えていきたい。また、海外出張、国内出張、インタビュー調査も現状では実施が困難であるが、コロナ終息が確定した段階から実施できればと考えている。
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