研究課題/領域番号 |
19K01836
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
中山 健 共立女子大学, ビジネス学部, 教授 (50248829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 創業経営者 / 初代経営者 / 2代目経営者 / 比較研究 / 経営戦略 / マーケティング戦略 / 経営理念 / 事業承継 |
研究実績の概要 |
初代経営者と2代目経営者の経営理念、経営行動、経営戦略、マーケティング、人的資源管理、革新性等に関して比較研究調査を行った。具体的には、上記諸項目に関するアンケートの質問項目について設問の概要設計を行い、それに基づき具体的な質問文を考案した。初代と2代目経営者の考え方、戦略手法等に関して比較をすることが重要な分析方法であるため、同一質問項目を考えるだけでなく、2代目経営者にのみ聞くべき質問項目も考えなければならず、複雑な調査票となった。 年度後半に上記設問項目が実態を十分表すものであるか否かという視点から、質問項目と実際の経営活動の適合性の良否を判断するために企業への訪問調査を行う予定であったが、コロナ感染の収束が見込めないこと、オミクロン株が急拡大してきたこともあり、実地訪問は不可能となった。そこで、経営学分野やマーケティング、経営組織・人的資源管理分野の大学研究者へのヒアリングと調査票の各設問項目への意見聴取を行うことでより客観的で明確な質問項目へとブラッシュアップすることができた。その後、年度後半において実際のアンケート調査をネット調査会社を活用して実施することした。ネット調査会社と相談する中で、ネットを使用した送信・回収方法においては経営者の回答数が十分に期待できないことから、管理者を対象に実施することにより第3者の視点から客観的に評価し回答してもらうという方式に変更した。アンケートの回収結果(回収数)は1,014票であった。1,000票を超えて回収することができたため、今後の分析には十分耐えられる票数が得られたことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年4月から続くコロナ感染の感染拡大によって、企業活動が停滞しただけでなく多くの企業は来訪者を極力少なくしようとしたため、筆者による企業へのインタビュー調査(コロナ感染防止のため企業側が来訪者(調査者)を受け付けない等)が出来なくなった。その結果として、アンケート調査内容が実態を反映したものになっているかどうか(整合性が十分とれず)を精査しにくくなった。そうしたことから、結果的にアンケート調査自体の実施が遅れてしまったのが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が最後の年度であるため、昨年度実施したアンケート調査の結果を分析することを予定している。また、海外経営戦略やSDGs関連への対応状況を初代経営者と2代目経営者において違いが生じているのではないか、という仮説を検証するために補足のアンケート調査を実施することも予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、①コロナ感染症の拡大による企業活動の停滞が企業訪問調査を遅らせる要因となった、②国内での訪問調査ができず、またコロナ禍により国際学会に参加できないため出張費等が十分使えなかった。 使用計画は、①今年度のアンケート調査は内容的に不十分でもあったため、次年度は補足調査ならびにSDGsへの対応行動の違い、国際化への考え方や実施状況、売上状況の違いなどに関しての追加調査を行うことで、明らかにしたい、②国内における企業訪問等が可能になった場合には、数社の企業にインタビュー調査を実施したい、また、海外渡航が可能となった場合、海外の学会等に参加する予定である。
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