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2022 年度 実績報告書

ライフサイクル成熟転換期の戦略形成プロセスと多国籍企業:アメリカ自動車産業の事例

研究課題

研究課題/領域番号 19K01841
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

三嶋 恒平  慶應義塾大学, 経済学部(三田), 准教授 (90512765)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードアメリカ / 自動車産業 / 戦略形成プロセス / イノベーション / ライフサイクル / 成熟転換期 / 多国籍企業 / フィールドワーク
研究実績の概要

本研究の2022年度の主たる研究実績は次の2点であった。第1に、アメリカ国内での産業盛衰について検討し、ライフサイクルにおける成熟・転換期の企業行動のありようを検討したことである。本研究は2022年度、デラウェア州の自動車部品企業について調べ、自動車産業からの退出後の地域経済のありようを考察した。かつての鉄鋼産業の中心でありラストベルトとも位置づけられたピッツバーグでは、地元の大学であるカーネギーメロン大学などでのロボティクスやAIなど先端研究に依拠しながら、ラディカルなイノベーションをいくつも起こし、イノベーションを巡るエコシステムを構築しつつあった。一方で、かつて自動車部品産業が集積していたデラウェア州ではピッツバーグのような産業の新陳代謝が活発ではなかった。本研究はこれについて戦略形成プロセスの視角から成熟産業のライフサイクルに関する比較考察を行い、それに基づいて論文執筆を進めている。
第2に、アメリカ企業のグローバル展開先であるタイや中国、インドでの行動を解明した点である。コロナ禍以前に調査していた研究代表者の記録に加え、2022年度はタイでの自動車関連企業に対する実態調査を行った。GMに代表されるようなアメリカ企業のグローバル展開における実態を、取引相手である地場系サプライヤーや日系サプライヤーからヒアリングを重ね、その解明を図った。そうした調査から、アメリカ企業が取引サプライヤーに対して、品質や納期、コストに関して一定程度の水準をクリアした場合、認定サプライヤーとするなど、取引参入時の障壁を高く設定していたことが明らかになった。これを踏まえ、本研究はアメリカ企業のサプライヤーとの取引関係は日本企業と異なり、それが企業組織や戦略、さらには競争優位にどのような影響を及ぼしているのかについて考察し、多国籍企業のイノベーションのありように関する論文を執筆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海外直接投資におけるスピルオーバー効果の再考2023

    • 著者名/発表者名
      三嶋恒平
    • 学会等名
      アジア経済シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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