研究課題/領域番号 |
19K01842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久保 文克 中央大学, 商学部, 教授 (00256017)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 後発企業効果 / 後発企業 / リーダー企業 / シェア逆転 / 後発の壁 / キャッチアップ / 停滞 / 長期・短期パターン |
研究成果の概要 |
医薬品の対象である鎮咳去痰剤と抗炎症剤については,後発企業効果までの年数は3年と21年とく異なったが,停滞期を除くと短期パターンに分類され,同じ短期でもキャッチアップ開始のタイミングの違いが注目される。 そこで市場参入前に帝人が開発したヒット商品ムコソルバンと停滞期を脱するために,三共によって開発された起爆商品ロキソニンを比較した結果,内部リソース活用型の三共,ドイツのゲルハイム社という外部リソース活用型の帝人が確認できた。こうしたリソース活用の違いの一方で,安全・安心を重視するという食品産業との共通点として,市場参入前の消費者への事前調査が鍵を握った点は,三共と帝人の共通点でもあった。
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自由記述の分野 |
経営史,経営学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては2点が指摘できる。1つは,企業逆転を後発企業側にの視点から捉え,後発の壁をいかに克服していったのか,という点に注目した点であり,経営史と経営学の学際的融合ゆえに可能となった。もう1つの意義とは,医薬品と食品という全く異なる異業種が,後発企業効果の多さという点では共通し,この共通点は安心・安全を消費者重視するという共通点と表裏の関係にあったため,市場参入前の消費者調査がとりわけ鍵を握ることにもなったのである。 なお,後者の消費者の安全・安心を希求する点は,本研究の社会的意義とも深く関係しており,業種を超えて安全・安心を実現することの重要性を含意として含んでいる。
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