研究課題/領域番号 |
19K01856
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
朴 英元 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90526485)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 組織能力 / デジタル技術 / IoT / プロセス・素材産業 / 欧米企業 / 日本企業 |
研究実績の概要 |
本研究では、IoT (Internet of Thing)やIndustry4.0などの新しいデジタル技術の活用と組織能力との関係を産業・組織・製品アーキテクチャの視点に基づき、欧米企業と日本企業の最新技術の活用パターンを比較分析し、国別の最新技術の活用戦略の差異とそれぞれに求められる国別のイノベーション戦略の違いに焦点を合わせている。 研究2年目である2020年度では、アメリカとヨーロッパ、とくにドイツ企業のみならず、日本の製造業に焦点を当て、最新デジタル技術を提案している米国およびドイツと、そういった最新デジタル技術を活用せざるを得ない日本企業の技術活用パターンに関するフレームワークに基づき、日本、アメリカ、ドイツにおけるプロセス・素材産業企業に対するインタビュー調査を計画していたものの、新型コロナウィルス(COVID-19)によって海外訪問調査ができず、主に国内日本企業に対するオンラインインタビュー調査を実施した。また、研究3年目(2021年度)も新型コロナウィルス(COVID-19)の影響が続く可能性が高くなったので、研究方法論を変更して、文献レビューとコンピューターによるシミュレーション手法を取り入れ始めた。また、アンケート調査を実施するための準備を行った。 このように2020年度では、調査環境の制約の中で一部国内調査に限定されることで、日本企業中心の調査結果の一部をまとめて、国際的に発信することを試みた。具体的な研究成果は、図書として2冊、研究論文と査読付き論文9本(そのうち、英文ジャーナル2本)を出版した。また、査読付きの国際学会報告5回と国内学会報告4回を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の目的は、IoT (Internet of Thing)やIndustry4.0などの新しいデジタル技術の活用と組織能力との関係を産業・組織・製品アーキテクチャの視点に基づき、欧米企業と日本企業の最新技術の活用パターンを比較分析し、国別の最新技術の活用戦略の差異とそれぞれに求められる国別のイノベーション戦略の違いを明らかにすることであるが、2020年度は、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響を受けて、計画していたアメリカとドイツ調査計画は、全く実施できず、日本企業に対する調査もオンラインでのインタビュー調査に限定された。外部環境の影響の中でも本来の研究目的を達成するために、文献レビューとコンピューターによるシミュレーション手法を取り入れたものの、研究成果の側面からは当初の計画に比べて遅れていると考えられる。 次年度も、アメリカとドイツ出張が厳しくなる可能性が高く、アンケート実施やコンピューターによるシミュレーション手法によって本研究の目的をある程度は達成できると期待している。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の2021年度の研究計画では、日本のプロセス・素材企業についてオンラインでのインタビューを継続しつつ、訪問インタビュー調査ができない環境要因を踏まえて、昨年から準備してきたアンケート調査とコンピューターシミュレーションを実施し、理論的フレームワークを検証する。さらに、その研究成果を積極的に発信していく。具体的に、その成果を2021年度にオンラインの国際学会に2回以上報告し、さらにその成果をまとめて、国際ジャーナルに投稿していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響を受けて、計画していたアメリカとドイツ調査計画を全く実施できなかったため、次年度使用額が生じた。2021年度の使用計画は、訪問インタビュー調査ができない環境要因を踏まえて、昨年から準備してきたアンケート調査とコンピューターシミュレーションを実施し、理論的フレームワークを検証するためにシミュレーションモデルを作成する補助員に対する謝金とアンケート調査会社費用および研究成果の発信に使用する計画である。
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