研究課題/領域番号 |
19K01859
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
牧野 真也 和歌山大学, 経済学部, 教授 (20238885)
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研究分担者 |
牧野 丹奈子 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (10222796)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ビジネスモデル / デザインシンキング / 関係性のビジネス / 地域ビジネス / 都市ビジネス |
研究実績の概要 |
今日,地域の再生・活性化のためにビジネスをデザインし実現することが求められている。本研究は,地域ビジネス,とくに都市におけるビジネスを実際にデザインすることによって,ビジネスモデルデザインの方法論(モデルとプロセス)について検討し提案する。本研究では,地域や都市のビジネスを,そこでのリソースを存分に活用し,さまざま主体間の関係をつくり価値をつくり出すビジネス=「関係性のビジネス」と捉えており,従来の事業性を目的とするビジネスとは異なる視点に立つ必要があると考えている。 2020年度は,研究計画に基づき,前年度からの事例調査・研究や地域・都市ビジネスのデザイン実践に加えて,「関係性のビジネス」のビジネスモデルの検討に取り組んだ。 地域・都市ビジネスのデザイン実践としては,前年度に引き続いて研究代表者を中心に和歌山市中心市街地へのサーベイを実施し,アフターコロナの都市ビジネスを提案した。また,研究分担者を中心に大阪市船場地区におけるビジネスを立ち上げつつあり,船場地区の団体や関連企業などの関係者を交えた打ち合わせを複数回実施した。 関係性のビジネスのビジネスモデルの検討としては,これまでのデザイン思考を中心としたものに加え,それと並行して関係性の構築を進めていくプロセスを検討中であり,このプロセスに基づいた方法論を検討した。 以上の成果の一部は,研究代表者が所属する機関の紀要論文としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域・都市ビジネスのデザイン実践やビジネスモデルの検討については,おおむね予定通りに実施できたと考えている。 2020年度当初は,新型コロナ禍がさらに拡大することを予想できず,予定していた国内調査旅行,研究協力者によるサーベイやフィールドワークなどで実施できなかったものもある。 他方,オンライン会議による打ち合わせが一般に受け入れられるようになり,それによって代替できた面もあるので,研究の進捗自体には大きくは影響しなかったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って,2021年度(最終年度)は,デザイン方法論の構築を中心に実施していく。そのために,引き続き事例調査・研究やビジネスデザイン実践を必要に応じて行なっていく。オンライン会議を積極的に活用したい。 また,方法論をフレームワーク化・ツール化し,ビジネスモデルのデザインや教育などで活用していく。 方法論については,実際のデザインで活用し,フィードバックを受けて検証し,ブラッシュアップしていくことを考えている。ツール化については,コンピュータソフトウェア化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
最も大きな理由としては,前年度へ執行を持ち越したデザイン向けの高性能デスクトップパソコンを2020年度に購入しなかったことがあげられる。高機能デスクトップパソコンは研究計画では,3年目(2021年度)に方法論を整備するために必要となるものを想定し,それまでの作業にも活用できるものの購入を考えていた。購入を予定していたデザイン用パソコン(Surface Studio3を想定)は,2020年度発売が予想されていたが,2021年度以降に持ち越されたものと思われる。2021年度では必要となるので代替品も視野に入れて購入する。 次の理由としては,2020年2月からの新型コロナ禍により,国内調査旅行やサーベイ,フィールドワークを思うようにできなかったことがあげられる。2020年度全期を通じて,国内調査旅行はアポイントメントを含めて困難であった。フィールドワークについては,和歌山市中心部や大阪市本町駅周辺の調査を時間を限定して研究代表者単独で実施し,通勤経路上のため経費は発生しなかった。また,企業や団体へのヒアリングも遠隔で行なうことが中心となった。2021年度は可能であれば,それらを実施することを考えている。
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