地方銀行の経営課題,預貸率の低下の観点から銀行経営の最適化について研究を行った。問題に対する主たる要因は,いまだ営業の実態が預金獲得を主軸とする旧態依然の営業方針と,貨幣発行に関わる理論的解釈が個別銀行では正しく判断できていないことが改めて確認できた。優良で適切な貸出先が見つけられないことが要因ではない。 本研究では,日本の預貸率の変動を,スカンジナビア諸国との対比によって行い,マクロベースでの財政支出と銀行機能の関わりが有意な要因の際であることが示された。日本の銀行は国債消化への関りが大きく,地方経済の衰退というよりは財政赤字への協力によって預貸率の低下が引き起こされることが明らかになった。
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