研究課題
昨年度の研究で確立した分析枠組みを更に発展させ、コロナ感染症の継続的な影響下での定量データに基づく分析を行った。昨年同様、eolデータベースを利用し、発注側企業の特性(売上高、従業員数、研究開発費率など)を収集し、上場企業を中心に研究を展開した。受注側企業の特性は、改めて帝国データベースを用いて主要な特許法律事務所からデータを収集。さらに、昨年度のフィードバックを基に取引ネットワーク分析を深化させ、受注側企業の名寄せ作業の精度を向上させた。これにより、組織間取引のネットワーク分析における中心性や空隙の計算が精緻化され、企業間の資源依存関係と取引境界の変動についての新たな知見を得た。特に、発注と受注の間における境界の動態を詳細に追跡し、資源蓄積とその効果について(1)相互依存性が資源蓄積にどのような影響を及ぼすか、(2)資源依存が企業境界にどのような変化を引き起こすかを分析した。日本の産業環境において、米国の事例とは異なり、発注企業と受注企業間の境界が比較的安定していることが明らかになり、この安定性の原因を探求した。感染症対策の制約は依然として研究活動に一定の影響を与えたものの、データ収集と分析の効率化を図ることで、より広範なデータセットに基づいて分析を進めた。
3: やや遅れている
データセットの作成補助のための人員が集められなかったため、十分な速度で進めることができなかった。
今年度には、国際雑誌を対象として投稿する予定である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Technological Forecasting and Social Change
巻: 200 ページ: 123061~123061
10.1016/j.techfore.2023.123061