研究課題/領域番号 |
19K01867
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
多田 和美 法政大学, 社会学部, 教授 (50582805)
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研究分担者 |
福地 宏之 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (90552505)
中川 充 日本大学, 商学部, 教授 (90638412)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 経営学 |
研究実績の概要 |
本研究は,日本多国籍企業を対象に,新興国市場における進出戦略と深耕戦略を明らかにすることを目的としている。なかでも,本研究では,新興国固有の問題である流通チャネルの二重構造に着目する。新興国市場は,大きくは個人商店や露天商などのトラディショナルな形態と,スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアからなるモダンな形態の2つに大きく分かれ,その特徴に配慮した戦略的行動が重要になることが考えられるからである。そこで本研究では,これらの新興国市場の二重構造に即した進出戦略と深耕戦略の解明を試みる。また,研究の方法論として,1)理論研究,2)新興国の現地調査とそれにもとづく事例研究(定性研究),3)質問票調査にもとづく定量研究を有機的に連結し,本研究の目的を達成し結論を導く予定である。 2023年度は,同年5月にWHOより新型コロナウィルスに関する「緊急事態宣言」の終了が発表されたことに代表されるように,世界的に諸局面でポストコロナに向けた動きが加速化した。当該年度における研究も,この動きに即した研究の実施に努めた。1)理論研究では,前年度から継続して関連する先行研究の最新動向を渉猟した。そこでは,多国籍企業研究,新興国研究のみならず,ブランド論,先発優位/後発優位論およびコロナウィルス関連の世界・企業動向に関する先行研究も検討した。その結果は定性研究と定量研究へフィードバックした。2)定性研究(事例研究)では,一次/二次資料にもとづく事例調査と分析をおこなった。特に,ポストコロナにおける企業動向の把握に留意した。3)定量研究では,コロナ禍からポストコロナにおける新興国市場に関するマクロ動向の把握に努めるとともに,1)理論研究と2)定性研究を踏まえた,質問票調査の検討・開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特に2023年度前半まではコロナ禍の影響が大きく,当初(コロナ以前を想定して計画)予定していた研究計画が実施できなかったため。2023年度後半は,コロナ禍~ポストコロナの影響を慎重に検討していたため。
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今後の研究の推進方策 |
その後,世界的に見てポストコロナの動きが加速化しており,当初予定していた研究の実施が可能な見込みである。ただし,コロナ禍~ポストコロナの影響も考慮した調査や分析も重要になることが考えられる。この点に考慮しつつ,研究の遂行に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は,コロナ禍を経てポストコロナへと世界情勢の諸局面が大きく変化した。その動向に対応して研究計画を見直したため。
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