研究課題/領域番号 |
19K01868
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
山倉 健嗣 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90126384)
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研究分担者 |
Heller Daniel 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (00362096)
高橋 賢 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50282439)
山岡 徹 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ステイクホルダー / 媒介者 / 組織間関係 / 正当性 / パワー |
研究実績の概要 |
企業がいかにステイクホルダーとの関係を形成、維持、変革していくのかは理論的に、実証的に重要な課題である。経営戦略論、組織間関係論などにおいて取り扱われていた。従来の研究では企業と個別のステイクホルダーとの2者関係に注目し、取引や提携に焦点を当てた研究を行ってきた。 本研究では取り上げられることが少なかった、企業とステイクホルダーとの関係を媒介する存在(媒介者)に注目する。企業とステイクホルダーとの関係は媒介者を通じて形成・展開・評価・変革されることがあるからである。特に不確実性が高く多義性が大きい企業とステイクホルダー関係において、媒介者の機能・パワー・正当性に焦点を当てる意義はきわめて大きい。特に取引される財・サービスの価値が当事者によって客観的に評価されるのが困難な業界においては、その価値についての情報を提供するだけでなく、正当性、妥当性を与える媒介者の重要性は明らかである。映画、音楽、出版などのクリエイティブ産業を把握するためには、批評家、評論家、フェスティバル、評価機関等の媒介者に注目し、評判の連鎖・ネットワークを視野に入れることが重要であることが文献研究から明らかになった。 また媒介者の機能が何なのか、情報提供機能なのか、連結機能なのか、指示機能なのか、正当性の付与機能なのかについての解明が必要である。 企業がステイクホルダーとの間で提携を結ぶとき、以前からの関係がない時には媒介者の役割は極めて大きい。また地域レベルにおける媒介者(大学も含む支援組織)に注目することは地域再生への新たな示唆を与えることにつながる。組織論における制度理論、社会学における正当性理論・トライアド研究を踏まえた、多面的な研究が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
媒介者に関する研究のサーベイは順調に進んでいる 地域レベルの媒介者としての大学についての研究を進めることができた クリエイティブ産業を中心に、インタビューの準備は行った。
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今後の研究の推進方策 |
媒介者に関するサーベイを引き続きおこなっていく 媒介者を組み込んだ企業とステイクホルダー関係のモデルを構築する 調査対象については現在の状況を踏まえ再検討する必要が出てくる可能性がある
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の書籍が届かなかった。 予定の出張が調査対象の都合により実現できなかった。書籍についてはしかるべき手続きをとるとともに、出張も十分に準備の上行いたい
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