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2019 年度 実施状況報告書

新興国におけるリーン生産成熟度とデジタル化の日系と独系企業実態調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01874
研究機関関東学院大学

研究代表者

塚田 修  関東学院大学, 経済経営研究所, 研究員 (90633884)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードIndustry 4.0 / 生産のデジタル化 / 国際戦略 / アーキテクチャー
研究実績の概要

本研究は、ブラジルという新興国における製造業のリーン生産成熟度とデジタル化の実態を日独企業を対象に比較調査するものである。 2019年は、この研究の準備として、9月独国ハノーバーメッセでデジタル化動向視察を実施した。Industry 4.0の最新の状況をシーメンス社、DMGMori社等の展示から調査した。その後、ビーレフェルトにあるDMG Mori社工場を訪問し、エアバス社におけるリーン生産の実情、そして、ベルリンのWZB(ベルリン社会科学研究所)においてドイツのデジタル化の動向についてDr.Martinと議論した。
その後日本での動向を調査するため、9月16日ダイキン工業株式会社の本社、TICそして臨海工場を視察議論することができた。ダイキンの進めるモジュール化設計、モジュール化製造がデジタル化のベースになるとの理解を得た。11月16日に明治大学においてドイツ大学の研究者たちとの研究交流会が行われ、ダルムシュタット工科大学のグループの研究発表を聞き、議論する機会があった。
2020年1月28日トヨタ自動車の元町工場を訪問し、担当技術者たちと組み立てラインのデジタル化について議論できた。3月5日デンソーの刈谷工場訪問が決まっていたがコロナビールス問題で延期された。3月25日東京大学教授小川紘一氏の「オープン&クローズ戦略」の講演に参加した。ここで初めてIndustry 4.0の本質が、工場がつながるスマート工場にあるのではなく、つながりをコントロールするノードを握り、つながりをコントロールするメカニズムを自社/自国優位に決め、ここから産業構造を変えてビジネスルールを先導することにあるとの話を聞き大いに感動した。クローズの自社コア領域を知的財産と契約マネジメントで固め、境界を介してコア領域からオープン市場に拡大するエコシステムを形成することで競争に強い国際化戦略を理解した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画調書において、初年度で1.調査方針、2.日独本社調査の完了を計画していた。日独本社の調査は一部実施したが、コロナビールスの影響でデンソーや海外調査が不可能になった。また、小川紘一教授のオープン&クローズ戦略によりIndustry 4.0などのデジタル化の本質が当初想定していたスマート工場の実現にあるのではなく、ビジネスモデルの革新にあることに気づき、今後の調査方針に少なからずの変更を検討する必要が出てきた。

今後の研究の推進方策

本来、可能な限り先端企業を訪問及び再訪問(DMGMori,ダイキン工業、トヨタなど)し調査議論したいところである。また、6月からブラジルへ行き、ブラジル側の研究者と調査項目のすり合わせ、工場訪問を予定していたが、コロナビールス問題で不可能である。
そこで、今後しばらくは文献調査に集中することとする。

次年度使用額が生じた理由

コロナビールスの影響で企業訪問が延期となった。今年度はブラジル企業視察調査などが予定されているが何時実施できるか不明である。しかし、コロナビールス沈静化後は、ダイキン工業のヒューストン工場視察、ブラジルでの調査等費用が掛かることになる。

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公開日: 2021-01-27  

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