研究課題/領域番号 |
19K01874
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
塚田 修 千葉商科大学, 経済研究所, 研究員 (90633884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インダストリー4.0 / スマートファクトリー / 製造のデジタル化戦略 / CPS / IoT |
研究実績の概要 |
インダストリー4.0の中小企業への適用実態を把握するためにさまざまな活動を実施している。 ①インダストリー4.0の普及の主力企業である独シーメンス社の森内茂樹氏に数回面談した。ドイツおよび日本でのインダストリー4.0の適用実績の説明を受けた。シーメンス社が開発したインダストリー4.0の基幹プラットフォーム、Mindshereの設置状況も知ることが出来有意義であった。今後も情報交換を継続する予定である。②シーメンス社の日本のモデルパートナーである株式会社アイデンを2020年9月に訪問した。この企業は、制御盤の専業メーカーである。中小企業でのインダストリー4.0の適用状況を製造現場で確認し、その後、生産担当の専務と議論することができた。③イノベーションの専門家である学習院大学の柴田友厚教授と共同研究を始めることとなった。柴田教授とは一昨年ハノーバーメッセに同行した。今回の株式会社アイデンの訪問も同行し、その後議論をすることが出来た。 ④北九州工業高等専門学校の久池井茂教授との接触が始まった。久池井教授は、九州地区で経済産業省のデジタル人材開発プロジェクトに参画しインダストリー4.0の普及と人材育成を行っている。久池井教授の紹介で、2020年11月、人材育成プロジェクトに参画した8つの中小企業を紹介してもらい、現地視察を行い、その後議論をすることが出来た。北九州と大分にそれぞれ4社訪問した。各社、それぞれ独自の視点(例えば、ERPの展開、3次元プリンターの活用、LCMの展開など)を持ってインダストリー4.0の実現に向けて努力している状況が良く理解できた。 ⑤インダストリー4.0に関するさまざまな論文、本を読むことでより深い内容を理解 できた。これらをもとに、柴田友厚教授と協力して論文を作成して2021年10月の「研究・イノベーション学会」で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の状況で、緊急事態宣言発出、解除、まん延防止法など状況はめまぐるしく変化している。本来であれば、ドイツ、ブラジルの現地調査を行う計画であったが、現状は、国内はもとより海外は全く見通しがつかない状況である。研究の趣旨からして現場の調査活動が出来ないことは本研究の進捗に後れをもたらすことになる。
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今後の研究の推進方策 |
①文献調査と柴田教授との議論を通じインダストリー4.0を中小企業に適用する時の阻害要因と制約を明らかにする。 ②香川大学大学院で教授を務めた時代から関係のある高松市の6社の中小企業とインダストリー4.0の展開についての研究会を組織化することとなった。中小企業側から見た、生産デジタル化の課題、投資の限度、人材の状況を調査していく予定である。 ③経済産業省、厚生労働省、文部科学省の「2020ものづくり白書」に紹介されているインダストリー4.0実践工場を訪問しどのような工夫をしているかを調査する予定である。 ④ドイツ、ブラジルでの企業調査のための調査票の設計を急ぎたいと考えている。コロナ状況が改善した時点ですぐに行動が起こせるように準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため計画していた海外調査が不可能になったため。 現状では、コロナのまん延状態がどのように収束するか見通しが立たない。 国内出張、海外出張が可能になり次第、調査を開始する予定である。
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