研究課題/領域番号 |
19K01895
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
間嶋 崇 専修大学, 経営学部, 教授 (20352015)
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研究分担者 |
宇田川 元一 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (70409481)
黒澤 壮史 日本大学, 商学部, 准教授 (10548845)
小沢 和彦 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (30754428)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 情報セキュリティ / ナラティブ / 組織変革 / ケアのロジック / センスメーキング / 翻訳 |
研究実績の概要 |
本研究は、過剰に厳しいあるいは過剰に厳しいと認識される情報セキュリティ対策がいかに策定・実施されるかを組織論的な視点から明らかにし、そこから日常業務の効率性や有効性と両立したより良い情報セキュリティ対策のあり方を検討することを目的としている。それに向け、まず先行研究から理論的な観点を洗い出し、さらに、インタビューに基づく定性調査を通じて、分析対象の実態を理解し、洗い出された理論的観点から情報セキュリティの過剰化メカニズムの分析・その回避策の検討を実施した。 文献調査においては、情報セキュリティ部門と他部門の間に生じる情報セキュリティに関する認識や実践のズレがいかに生じるのかを理解する上で有益であろう研究に関するレビューを行った。それにより、部門間のズレを生じさせるであろうものとしての「ナラティブ」やそれをつなぎ過剰化を防ぐ手立てとしての「対話」、そしてその対話の前提となる「ケアのロジック」、さらにはそういったナラティブやロジックを生成する「センスメーキング」といった理論的・概念的観点の有益性が洗い出された。 それら理論的観点に基づき、情報セキリュティの過剰あるいは適正なセキュリティを実現している企業へのインタビュー調査を実施、分析を行った。その結果、情報セキリュティの適正化には、部門を超えた「当該企業の在り方」そしてそれに紐づいた「情報セキュリティの在り方」の部門を超えた共通理解を生成する部門間の継続的・試行錯誤的で対話的な関係の構築と、その関係を実現する部門間の橋渡しの仕掛け作り(制度や組織のデザイン)が肝要であることが理解できた。 本年度は、それら研究成果を整理するとともに、今後のさらなる研究の可能性を模索するために、情報セキュリティの適正化に向けた変革がいかに可能かを、センスメーキング研究の観点から理論的に検討を行った。
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