研究課題/領域番号 |
19K01899
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
長島 直樹 東洋大学, 経営学部, 教授 (10732779)
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研究分担者 |
長島 芳枝 大東文化大学, 経営学部, 教授 (10572026) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 顧客満足 / 期待不一致 / サービス消費 / マーケティング知識 |
研究実績の概要 |
企業ヒアリングができなかったため、海外進出のカギとなるマーケティング知識、特に顧客満足構造に関するアンケートを実施、結果に基づく計量分析を実行した。研究背景は、①期待不一致仮説(消費に伴う満足度やサービス評価が、成果と期待の差に影響を受けるとする仮説)に関しては、1990年代のSERVQUAL・SERVPERF論争以来、決着がついたとは言えず、現在も理論・実証両面から統一的な見解がないこと、②分析結果に関するばらつきが見られると同時に、近年は顧客満足からロイヤルティへ研究の関心がシフトしたこと、の2点である。 上記を踏まえ、「何が分析結果の違いを生むのか」に関する分析・検討を行い、マーケティングやビジネス展開上の含意を検討するとともに、現在広く受容されている顧客満足度指数モデルに関する批判的検討を実施した。仮説は、①サービス体験の文脈(中でも消費の目的)が事前期待の役割に大きな影響を与える、②事前期待水準と期待不一致は別概念であり、それぞれが消費者満足に与える影響は異なる(状況ごとに異なる)。当仮説の下で計量分析を実施した。構成概念(顧客満足、知覚価値、知覚品質、知覚コスト、成果、期待水準、期待不一致)の構築、VIF, AIC等による定式化選択、及び統合モデル構築を試行した。 研究成果は以下の通りである。顧客満足度指数モデルの考え方に反し、「期待不一致」「顧客期待」はそれぞれ独立してCSに影響を及ぼしていることが示唆された。両者の影響度は、「期待不一致」は日常利用の場合、「顧客期待」は非日常利用の場合により強くCSに影響することも判明した。以上の分析結果は、顧客満足度指数モデルよりもリアリティのある代替モデルの可能性を示唆している。実務的観点からは、CSや期待不一致の単一質問項目による指標も有効とみられることがわかり、単純な調査の有効性も否定できないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた企業ヒアリング(海外進出の際に利用する情報・知識に関する質問が中心)ができなかったため、急遽アンケート調査に変更した。また、アンケート調査で上記の内容を聞き出すことは不可能と判断し、調査内容も「顧客満足構造の特定(期待不一致仮説の検証)」に変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査自体は終了し、データを得ることができた。また、調査結果に基づく大まかな分析は終了しているが、さらに「消費者属性や利用状況による構造の差異」を深掘りし、全体モデルを再検討することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
14,000円弱の残額が生じたが予定額はほぼ消化している。残額が生じた理由はアンケート調査の外部委託費が想定よりもやや少なかったことによるものである。残額は次年度の出張費もしくは図書費に充てる予定である。
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