研究課題/領域番号 |
19K01911
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
中村 友哉 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 講師 (20618128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イノベーション / 新製品開発 / 共創 |
研究実績の概要 |
本研究は、企業が多様化、複雑化するユーザーニーズをいかに新製品開発に取り込むかを主な検討課題としている。 ユーザーニーズの把握には様々な方法が存在するが、特に本研究が注目するのがユーザーと共同で新製品開発を行う企業の取り組みである。こうした取り組みを、ユーザーとの共創型製品開発という視点から分析を行うのが本研究の主な目的となる。 より具体的には、開発する製品特性と開発に参加するユーザーの類型を明確化した上で、より効果的なユーザーとの共創型新製品開発のモデルを解明することが研究目的となる。 その際、ユーザー側の「特性の異なるユーザーはそれぞれどのような形で企業の製品開発に参加するのか」と、企業側から見た「どのような製品開発の際にユーザーとの共創型製品開発が最も有効となるのか」の両方の側面を組み合わせたモデルの構築を行うことで、企業の多様な新製品開発の展開に資する成果を上げることを目指している。 初年度はユーザーイノベーションやフリーイノベーションといった関連領域の研究蓄積をベースに、どのようなタイプのユーザーがどのようなタイミングで開発に参加するのか、その際のインセンティブや開発活動における役割の変遷について研究を進めてきた。 今後継続して研究を進めることで、共創型新製品開発のより具体的、実践的なフレームワークの構築につなげることを目的とする。また、本研究ではユーザー側のイノベーション創出過程という動態的な視点を組みこむことで、製品開発へのユーザーの参加のタイミングや彼らの役割の推移を織り込んだ動態的なモデルを構築できる。最後に、これまで一律にユーザーとのコラボレーションが考えられてきた中で、本研究ではユーザーのタイプや開発する製品の特性、そしてそれぞれに応じたコラボレーションの形態を精緻に分類したモデルを開発できる点に研究の意義と重要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和1年度は研究課題に関する理論的な検討や、以後の仮説構築作業に必要となる情報の収集を主に行ってきた。当初予定していたインタビュー等が困難になるなど、変更事項もあるものの次年度に挽回が可能であり、進捗はおおむね順調と捉えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進について、当初計画に沿った形で作業を進めていく予定としている。 具体的には、初年度の研究成果と2年目以降の研究成果紐づけたうえで、ユーザーとの共創型新製品開発の現象面及び理論面の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた海外での学会報告の1つに参加出来なくなったこと、コロナウイルスの影響で年度末の出張・インタビュー調査を全て取りやめたこと、2020年4月に勤務先大学が変わったことなどから、当初予定していた予算執行が行えなかった部分がある。 次年度以降も、旅費等についてはコロナの状況によって変更があるものと考えている。必要な調査活動についてはZoomでのインタビュー調査等の検討も進めている。
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