研究課題/領域番号 |
19K01924
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
東出 浩教 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (50308243)
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研究分担者 |
姜 理惠 法政大学, デザイン工学部, 教授 (90570052)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 対人ストレスモデル / メンタルヘルス / 対人葛藤 / ソーシャルスキル / 情報通信業 / 営業職 |
研究実績の概要 |
本年度の研究成果は以下の通り。 (1)正規労働者の50%以上がメンタルヘルス不調または予備軍であり、職場におけるメンタルヘルス不調の主な原因は上司との人間関係に起因する。 (2)この状況下、オーナーマネージャーによる倫理的な経営に資するため、Lazarusの認知的評定モデルが職業性ストレスモデルをベースとし、営業職を対象とした対人葛藤の対処やソーシャルスキルに関する研究を実施した。民間の調査会社を利用して、従業員500名以上の情報通信業に勤務する20代から50代の営業職を対象にWEBアンケートを実施した。サーベイのデザインにおける主たるコンセプトは、「上司からの対人ストレッサー」、「対人スキル」、「コーピング」、「上司のマネジメントスタイル」、「組織文化」、そして「ストレス反応」となる。分析にはSPSSを使用し、記述統計、相関分析、主成分分析、分散分析、重回帰分析が主な解析手法となっている。 (3)重要な分析結果としては、(a) 上司による対人ストレッサーは気遣い空回りストレッサーと振り回されストレッサーである。これらはメンタルヘルス不調を引き起こす可能性がある、(b) 統合方略が対人葛藤の対処に有効な方略であり、ストレス反応を低減させる働きがあり、統合方略に必要な対人スキルは関係開始スキルで、自律競争型の組織文化と集団維持志向型の上司のもとで醸成されるようである、(c) 集団維持志向型はストレス反応を低減させる効果があり、集団維持志向は自律競争型と協力競争型の組織文化のもとで促進される、(d) 目標達成志向型のマネジメントスタイルはストレス反応を高める一方で、目標達成志向は組織文化の影響を受けていない、(e) 組織文化はストレス反応に直接的には影響を与えていない。上司のマネジメントスタイル影響を与えている、などがあげられる。今後、詳細を論文化していく予定である。
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