研究課題/領域番号 |
19K01930
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
佐伯 靖雄 関西大学, 商学部, 准教授 (60580389)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自動車部品メガ・サプライヤー / ASEAN / CASE |
研究実績の概要 |
2021年度は新型コロナウィルス感染症の流行のため,予定していた国内・海外での企業調査がほぼ全て中止となり,研究活動が著しく停滞した。当初は研究完成年度として研究テーマに対する一定の結論と政策提言を予定していたが,研究期間を1年延期して調査活動を含め仕切り直しを決断した。したがって2021年度は主たる研究を文献調査に切り替え,また過去の調査実績をまとめて学会報告,論文化を進めることで一定の進展とした。この作業による進捗としては,自動車の電動化競争が激化するという産業の転換期において,ASEANに展開する自動車部品メガ・サプライヤーが今後の主要顧客として注目する米国テスラの事業戦略を二次資料ベースながら通史的に一覧化し,整理したことである。自動車の電動化はそれまでの競争軸を大きく変化させているため,それによる部品調達行動も古典的な下請制やサプライヤー・システム論で提起された論理とは形を変えてきている。以上の発見が2021年度の研究での発見であり,作業の到達点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行により,予定していた国内外の企業調査が全て中止となったことで進捗状況は芳しくない。とりわけ主要な調査対象であったドイツ系メガ・サプライヤーへの直接的なコンタクトは絶望的である。方法論の転換を図るとともに,研究課題へのアプローチを修正する必要性がある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究方法論の転換と研究課題のアプローチを修正し,できるだけ当初の目標に近い形での着地点を明確にし,研究の完成年度とする所存である。新型コロナウイルスの流行状況が2022年度においても著しい好転を期待できないことを前提とする。具体的には,第1に,調査対象への直接的なヒアリングをともなうフィールドワークへの依存度を大幅に下げ,二次資料や統計資料により補完することである。これは2021年度にも期せずして採用した方法論であるため,一定の実績はある。第2に,直接的なヒアリングができたとしても国内メガ・サプライヤーないしドイツ系メガ・サプライヤーの日本法人を中心とした調査に限定することである。2022年度に入ってからは国内での調査出張に対する制約は緩和されつつあるため,一次資料の獲得は国内調査を軸として進めることが現実的とみなしている。また研究成果の公表については,論文化はともかく,この間オンラインでの研究報告(学会・研究会)が定着,一般化してきたため,この機会を最大限に活用することで発信力を高めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により予定していた研究の進展がなく,研究期間を延長したため。
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