研究課題/領域番号 |
19K01933
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
玉田 俊平太 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (60312790)
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研究分担者 |
池田 新介 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (70184421)
岡田 克彦 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (90411793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オープンイノベーション / インバウンド / アウトバウンド |
研究実績の概要 |
本研究では,オープン・イノベーションにおけるインバウンド型とアウトバウンド型という活動類型の有無が,企業の収益にどのような影響を与えるかを調査した.企業のオープン・イノベーション活動を把握するデータとして,文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が実施した「民間企業の研究活動に関する調査」アンケートの2008年から2018年の回答を用いた.分析の結果,インバウンド型オープン・イノベーションは企業の収益に対して有意にプラスの影響を示したが,アウトバウンド型オープン・イノベーションは企業の収益には影響を与えていないことが示された.これは外部の技術を積極的に取り込んで開発を実施するインセンティブが企業にあるのに対して,自社技術を積極的に外部に提供するインセンティブが無い,もしくは非常に弱いことを示唆している.すなわち,オープン・イノベーション活動を通じた生産性向上の課題として,企業が死蔵している技術情報の公開促進などの政策課題があることが示唆される. オープン・イノベーションのスキームが経済全体として一層機能するためには,技術情報の流通が円滑に行われ,需給がバランスする必要がある.そのためにはアウトバウンド側からの技術情報の提供が重要と考えられるが,本研究の結果は,特許制度による強制的な情報公開を除くと,アウトバウンド側の自社技術公開のインセンティブが乏しい実態を示唆している.アンケート結果で示されている,インバウンド活動を行っている企業が全体の約6割にのぼるのに対して,アウトバウンド活動を行っている企業の比率が3割半ば程度にとどまっている理由は,本研究で示された,アウトバウンド側のインセンティブの低さが原因ではないかと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定されていたデータの入手、統計処理、論文の執筆、査読・掲載などが無事完了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後,オープン・イノベーション活動を通じた生産性向上の課題として,大学や公的研究機関などの知の創造を行っているアウトバンド候補機関における研究開発成果の一層わかりやすい情報公開の促進や,企業が死蔵している技術情報の公開促進,インバウンド側企業とアウトバウンド側企業のマッチング機会を促進する仕組みづくり,オープンイノベーションを行う企業への税制優遇措置などの政策課題があることが示唆される.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,雇用していた研究員の出勤日数が減少したため残額が生じた。2023年度は研究成果の発表のための学会出張等に使用する予定である.
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