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2020 年度 実施状況報告書

女性研究者の仕事と私生活における役割間の葛藤と相乗効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01934
研究機関九州女子大学

研究代表者

篠原 さやか  九州女子大学, 共通教育機構, 准教授 (90618224)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード女性研究者 / ワーク・ライフ・バランス / キャリア
研究実績の概要

本研究は、わが国でさらなる活躍が期待される女性研究者に着目し、仕事と私生活における役割間の葛藤と相乗効果の関係性について検証することを目的とする。特に、家族形成期にあたる年齢層の女性研究者に焦点をあて、①仕事と私生活の役割間の葛藤に対して、どのような対処(コーピング)を行っているのか、②葛藤をかかえやすいとされる女性研究者にとって、仕事と私生活の役割間における相乗効果の経験はキャリア形成にどのような影響を及ぼすのか、という2つの問いについて、3ヵ年のインタビュー調査とアンケート調査をもとに明らかにするものである。
2020年度は、新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、当初7月末に予定されていた国際学会での発表が2021年に延期となった。また、勤務校での授業形態の変更等の対応が発生したことから、本研究の遂行に十分な時間を確保することが困難となり、当初計画していたオンラインのアンケート調査の実施を延期した。
一方、これまでに実施したアンケート調査から得られたデータを利用し、わが国の技術者の社会的なネットワークが、仕事と家庭における経験の領域間の流出の一形態を表す「ワーク・ファミリー・ポジティブスピルオーバー」にもたらす効果の性差について検証した。データ分析の結果、男性にくらべて、女性は「家庭から仕事へ」および「仕事から家庭へ」のいずれのポジティブスピルオーバーを高い水準で経験していることがわかった。さらに、同居以外の親族や友人との家事や育児における関わり合いがポジティブスピルオーバーにもたらす効果には性差があり、女性にくらべて男性のほうが強いことが明らかになった。この点は、今後の本研究の遂行に新たな視点をもたらした。この結果をまとめ、国際学会の2021年大会での発表に応募し、採択された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、教務上の対応が発生し、研究活動のための時間を確保することが困難となり、当初予定していたアンケート調査の実施を延期したため。同じく、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、発表を予定していた国際学会が延期になったため。

今後の研究の推進方策

2021年度は、当初の予定から延期となった国際学会での発表に加え、新たに採択された論文を国際学会で発表する予定である。いずれもオンラインでの発表予定である。発表後は、それらに対するフィードバックをもとに論文化を行い、学術誌への掲載を目指し投稿する。
また、年度後半には、これまでのインタビュー調査から得られた知見をもとに、オンラインによるアンケート調査を実施する計画である。20歳代後半から50歳代前半の大学・研究機関に所属する男女研究者(理系・文系)を対象とし、調査項目は50問程度、目標サンプル数は1,500程度とする。調査の実施は、全国の男女研究者のモニターを有するオンライン調査会社に委託する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予定していたアンケート調査の実施を次年度に延期したため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 女性研究者のキャリア形成とワーク・ライフ・バランス2020

    • 著者名/発表者名
      篠原さやか
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 722 ページ: 4-17

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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