研究課題/領域番号 |
19K01941
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研究機関 | 北海商科大学 |
研究代表者 |
相浦 宣徳 北海商科大学, 商学部, 教授 (30333149)
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研究分担者 |
阿部 秀明 北海商科大学, 商学部, 教授 (60183141)
伊藤 寛幸 北海商科大学, 商学部, 教授 (40823430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地域物流 / 物流基幹ネットワーク / モーダルシフト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地域経済を支える「強靭な物流ネットワーク」のあるべき姿を提案することである。2019年度に構築した(テーマ1)の成果である「各地域間の『産業間の連関構造』と『物資の流動構造』を同時に分析できる『産業連関構造・物資流動構造統合モデル』」を用い,前年度に引き続き(テーマ2)~(テーマ3)を進めた。「平時における食の安定供給,そして,有事における不断の供給」に資する「全国物流ネットワークのあるべき姿」の分析として,①北海道と本州を結ぶ青函ルート(北海道新幹線並行在来線区間+青函トンネル共用走行区間),②国土の東西を結ぶ東海道線,③九州と本州を結ぶ関門ルート・山陽線などについてシナリオ分析を行った。①では北海道新幹線札幌延伸時の貨物鉄道輸送力の低下,②では平成26年の台風18号による東海道線の寸断,③では平成30年7月豪雨(西日本豪雨)による山陽線の寸断,③では平成30年7月豪雨(西日本豪雨),台風24号(平成30年9月)による「山陽線100日間不通(平成30年7月5日~10月12日)」を事例として,幹線物流ネットワーク上の途絶が及ぼす影響と強靭化に関する分析・考察を行った。貨物鉄道による輸送依存度が非常に高い北海道産農産品などを中心に,①~③による輸送力の低下が全国の各地域に及ぼす経済的影響の推計に基づき,「全国物流ネットワークのあるべき姿」に関する観点と今後の課題などを導出した。
加えて,計画当初では予定していなかったが,近年の状況を鑑みて,全国の整備新幹線在来線の状況(運営会社の経営状況,3セク運営会社の貨物輸送からの収入依存度など),旅客鉄道輸送における不採算路線の現状を整理すると共に,これらによる貨物鉄道ネットワークの寸断の可能性も考慮することとし,情報収集,分析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019~2022年度においては,当初の計画以上に進展している。
COVID-19によるヒアリング調査機会の喪失により遅れているものの、「実務者への評価結果の妥当性ヒアリング調査」も活動制約が解除され,2023年度には進展が見込まれる。
加えて,計画当初では予定していなかったが,近年の状況を鑑みて,全国の整備新幹線在来線や旅客鉄道輸送の不採算路線の廃止による貨物鉄道ネットワークの寸断の可能性も考慮することとし,情報収集,分析を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
2020~22年度で計画していた研究テーマの内,実務者への評価結果の妥当性ヒアリング調査が不足している。COVID-19によるヒアリング調査に係る制約が解消される見込みであり,可能な限り調査を実施する。 加えて,計画当初では予定していなかったが,近年の状況を鑑みて,全国の整備新幹線在来線や旅客鉄道輸送の不採算路線の廃止による貨物鉄道ネットワークの寸断の可能性も考慮することとし,情報収集,分析を開始した。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度で計画していた研究テーマの内,COVID-19によるヒアリング調査機会の減少に伴い,次の様に未使用額が生じた。COVID-19によるヒアリング調査機会の減少が解消される見込みであり,可能な限り調査を実施する予定である。 加えて,計画当初では予定していなかったか,近年の状況を鑑みて,全国の整備新幹線在来線の状況(運営会社の経営状況など),旅客鉄道輸送における不採算路線による貨物鉄道ネットワークの寸断も考慮し,研究を継続する。 上記に伴うヒアリング等の調査の実施に伴う経費として、使用する。
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