研究課題/領域番号 |
19K01942
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
平木 いくみ 東京国際大学, 商学部, 教授 (60367026)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感覚マーケティング / 聴覚 / 従業員満足 / オフィス空間 / 処理流暢性 / 自己効力感 |
研究実績の概要 |
職務空間における聴覚要因が従業員のコミュニケーションに及ぼす影響を解明すべく研究を進めてきた。これまでフィールド調査に加え,2回の実験室実験を行い,環境ノイズとBGMの適合性が職務空間における従業員間のコミュニケーション満足度を高めることを裏付けてきた。本年度は具体的に2回目の実験室実験を行い,環境ノイズとBGMを音量において一致させた場合に,一致させていない場合に比べ,仕事に対する処理流暢性が高まることで従業員の自己効力感が高まり,結果として,遠い他者(例えば上司)へのコミュニケーション意図が高まることが示された。この結果を,2022年2月に参加した海外学会で発表したところ,本研究の知見がマーケティング実務へのインプリケーションとしては弱いことが指摘された。こうした指摘を受けて,現在,追加的にマーケティング文脈を想定した実験室実験を検討している。本年度中には,追加の実験室実験を通して研究結果の頑健性を高め,論文を投稿する予定である。本研究は,現在までにフィールド調査(本調査1回,予備調査1回),実験室実験(2回)を行っている。
2021年度の研究実績: The effect of music on vertical interpersonal communication: A sensory marketing perspective. American Marketing Association, 2022.2 AMA Winter Virtual Conference
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年の前半に,フィールド実験により得られた知見について,その心理的メカニズム解明のための実験室実験を実施した。しかし,2022年2月に開催されたAMAカンファレンスにおいて,本研究の実験結果をマーケティング文脈において検証する必要性を指摘されたため,現在,追加で実験室実験を検討中である。しかしながら,本年度中には実施できる予定であり,論文も投稿する予定であるため,おおむね順調に進められていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の前半において実験室実験を実施する。その結果に基づき,学会誌への投稿を目指すとともに,当該研究の発展研究にも着手する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き,2021年度においてもコロナ感染状況を考慮し国内出張および国外出張がなくなり,国際学会についてもZOOMによる発表であったため,渡航費がかからず参加費も低くなった。また,対面調査も大規模に実施することが難しく,調査費も想定よりも低くなったことが残額が生じている主な理由である。本年度は学会発表が対面で行われる際には出張し参加する予定したり,追加実験の調査費として使用する計画である。
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