研究課題/領域番号 |
19K01944
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
青木 茂樹 駒澤大学, 経営学部, 教授 (30298393)
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研究分担者 |
小山 嚴也 関東学院大学, 経営学部, 教授 (60288347)
江戸 克栄 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | サステナブル / ブランディング / 持続可能性 / CSR |
研究実績の概要 |
サステナブル・ブランディング研究では、企業活動と社会や地球環境との持続可能性を模索し、これを企業の事業評価に繋げていく。本研究ではこの概念整理・体系化を目指し、ブランド価値評価方法を指標化・尺度化することで、戦略的CSRの社会課題の解決とマーケティングの架橋を試みる。 令和元年の目的は、サステナブル・ブランディングの概念整理と体系化及び事例研究を行うことであった。戦略的CSR研究及び既存の環境関係のマーケティングの枠組みにサステナブル・ブランディングを導入することの妥当性を関連既存研究等の文献レビューにて進めた。また、サステナブル・ブランド国際会議において、筆者らはインテージ社と消費者調査(n=3206)を行い、2020年2月にその成果を発表した。1)SDGsの認知度においては2018年1月には9.3%であったが、2020年には27.8%に増加している、2)サステナブルな行動について調査すると、意識の高いー低い消費者が、Super5.3%、High29.2%、Moderate48.5%、Low17.0%と分布し、3)Superの消費者は、サステナブルの商品を購入するだけではなく、人に勧めたり、実践活動へ参加する意向が強いことがわかった。受動的な消費者像から積極的行動に出る消費者像が見えてくる。また、4)サステナブルな評価について認知度の高い企業として、トヨタ、イオン、パナソニックという大企業が列挙される一方、認知度においてその取り組み内容を知られている比率で見ると、6位パタゴニア、9位P&G、12位ユニリーバなどが上位に挙げられる、日本におけるサステナブル・ニッチャーが出現してきていた。 これらの基礎調査を元に消費者におけるサステナブル企業の評価方法を検討できるよう、調査仮説の検証を2020年度において行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年より企業ヒアリングをしながら、調査仮説を検討する予定であったが、コロナ禍により調査実施が難しくなり、ヒアリング調査ができないままとなった。現在、仮説調査設計およびアンケート設計を進めており、オンライン等で企業の担当者のヒアリングも併せて、進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度前期では、基礎フェーズにおけるサステナブル・ブランディングの概念を整理した後、サステナブル・ブランディングの価値評価のための指標化・尺度化を行う。既存研究におけるブランドエクィティ、カスタマーエンゲージメント、ステイクホルダーなどの概念との整合性を図りながら、サステナブル・ブランディングにとって必要な要素を研究する。インターネットによる定量的調査を実施し、統計的手法を用いて実証研究を行う(1000サンプル程度予定)。 この研究成果は、日本マーケティング学会(10月18日)で研究報告を行い、サステナブル・ブランディングの有用性について広く議論を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって企業のヒアリングおよび消費者アンケート調査が実施できなかった。これについては、2020年度にコロナ禍の安定を待って、再開する予定である。
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