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2022 年度 実施状況報告書

サステナブル・ブランディングの概念整理とその評価尺度の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K01944
研究機関駒澤大学

研究代表者

青木 茂樹  駒澤大学, 経営学部, 教授 (30298393)

研究分担者 小山 嚴也  関東学院大学, 経営学部, 教授 (60288347)
江戸 克栄  県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードサステナビリティ / ブランディング / De Jure Standard / De Facto Standard / De Spiritus Standard / 社会問題解決 / コラボレーション
研究実績の概要

企業がサステナブル・ブランディングを目指す理由は3つに整理できる。1つは、従来の社会的責任の道義的問題のみならず、サステナビリティが企業活動の必要条件となっているからだ。例えば、ESG投資においては株主に対する説明責任が求められ、De Jure Standardとなってきている。2つ目に、これはマーケティングにも強く影響してきており、我々が監修する「JSBI(Japan Sustainable Brands Index)」においても、日本企業306社の中で1位が無印良品(良品計画)、2位のトヨタ自動車など、この3年間の調査において上位企業が固定化してきた。つまり、サステナビリティの観点からの企業評価においてDe Facto Standard化が始まっていることを青木・江戸はサステナブル・ブランド国際会議にて報告した。
一方、サステナビリティの進展の差異は、国や地域ごとの宗教や政治、教育なども背景となっていることを青木は日本マーケティング学会にて指摘し、De JureとしてのルールやDe Factoとしての市場獲得だけではなく、経営思想の転換における精神的支柱をDe Spiritus Standardとした。
以上、3つの理由により、小山が『経営学史学会年報』にて報告したように、企業は市場問題解決装置から社会問題解決装置へと転換していく趨勢にあると言えよう。
このためには、これまでのソーシャル・マーケティングの枠組みにおける経済軸(売上や利益)と環境・社会軸(ソーシャルインパクト)に加え、実施主体軸(一企業またはコラボレーション)も必要となってくる。市場問題であれば一企業でも解決できた問題であるが、社会問題を真に解決するためには一企業での範囲を超え、企業、行政、NGO・NPOや生活者との協調を進めることが必要となる。今後は、これらを踏まえて尺度化の検討を進めたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまではコロナ禍でインタビュー調査が難しくなっていたが、昨年度末からは再開しており、今年度は最終年度としてまとめていきたい。

今後の研究の推進方策

サステナブル・ブランディングは、こうした多様なステークホルダーからの総合的な評価であるが、主としては社内浸透を目指すインターナル・コミュニケーションと社会からの評価を目指すエクスターナル・コミュニケーションがある。後者においては対象となるステークホルダーが株主、行政、メディア、行政、消費者、地域住民など多様に存在しており、それらの評価をどう整理し、統合または選択するのかを早急に決定する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で調査が遅れたため、その概念化と指標化を検証する調査を実施することができなかった。今年度内に実施する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 市場課題解決装置としての企業から社会課題解決装置としての企業へ2022

    • 著者名/発表者名
      小山嚴也
    • 雑誌名

      経営学史学会年報

      巻: 29 ページ: 37-49

  • [学会発表] デンマークに学ぶサステナビリティとデジタライゼーション-マーケティングによって、Well-Beingをいかに設計するか-2023

    • 著者名/発表者名
      青木茂樹
    • 学会等名
      日本マーケティング学会第5回サステナブル・マーケティング研究報告会
  • [学会発表] サステナブル・マーケティングは、通常のマーケティングとは何が違うのか ― 実践者と理論家との対話を超えて―2023

    • 著者名/発表者名
      青木茂樹、江戸克栄、原裕、萩谷衞厚、砂川和雅、高島 太士、北村 暢廉
    • 学会等名
      日本マーケティング学会第6回サステナブル・マーケティング研究報告会
  • [備考] デンマークに学ぶサステナビリティとデジタライゼーション

    • URL

      https://www.j-mac.or.jp/past-researchproject/39683/

  • [備考] サステナブル・マーケティングは、通常のマーケティングとは何が違うのか

    • URL

      https://www.j-mac.or.jp/past-researchproject/39723/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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