研究課題/領域番号 |
19K01945
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
生田目 崇 中央大学, 理工学部, 教授 (10318222)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | マーケティング / 消費者行動 / モデル分析 / 過渡状態 |
研究実績の概要 |
令和2年度はCOVID-19の影響により,計画時に予定をしていた学外出張や調査出張についてはそのすべてを中止せざるを得なかった.特に前期は最初の緊急事態宣言発出に伴い研究活動の制限もあり,ほとんどは後期にずれ込み実施した.ただし,学会発表や国際会議については,オンラインで開催されたため,研究成果の報告はほぼ滞りなく行うことができた.令和2年度においては,各種のケーススタディを中心に,1) 購買動機に関連した諸変数の分析とその評価,2) 検索・SNSデータによる購買につながるキーワードとその評価,3)メディア接触パタン分析による広告出稿最適化の検討を行った. 1)の研究成果としては,購買間隔,平均購買金額,購買カテゴリなどの次回購買の有無の影響ついての知見を得ることができた.2)の成果としては,ウェブにおける検索キーワードとコンバージョンのパタン分析により,検索キーワードと購買の時系列推移の類別,変遷についての知見を得ることができたこととともに,SNSにおけるブランド評価の構造についての評価を行った.3)についてはメディア接触に関するパネル調査データを用いて,メディア接触パタンの類型化並びにパタン別の嗜好の評価を行った.これら成果により,購買前後の消費者の情報検索や選択,購買後の事後評価の構造などの一端を明らかにできたと考える. これらの成果については,論文として刊行した他,国際会議での研究報告,国内学会での発表を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果についてはおおむね順調に公開できている.COVID-19の影響により,研究交流がままならないところがあり,オンラインだけでは限界もあることから,時期を見ながら,今後の研究交流,更なる研究成果の発信に努めていきたい.
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は昨年度まででは対象としなかった,別の分野に注目し,対象とする購買状況や情報検索過程を広げる一方で,購買に至る,もしくは至らないといった現象について消費者,商品の両面から分析を行いたい. また,カテゴリが異なる商品購買に関してどのような差があるのかをあきらかにするため,カテゴリ横断的な評価を行うことを指向する. ただし,今年度においても新型コロナウイルスの影響による産学連携のスピードの低下,学会開催が中止されるなど,研究推進においてブレーキとなりうる状況も予測され ることから,研究交流や調査などについては可能な方法を工夫するなど,新型コロナウイルスによる行動制限を可能な限り回避しながら,効率的・効果的に研究を進めることを計画している. また,コロナウイルスの影響による消費マインドの変化もあるため,これらについても対象とする予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
出張旅費解いて計上した分がほぼ執行できなかった.本年度も出張についてはかなり制限されることが懸念されるため,成果報告(論文投稿およびそのための英文チェック),分析の推進として活用する予定である.
|