2021年度は2019年度及び2020年度に実施した消費者調査のデータをもとに、主観的厚生の値の安定性を確認した。口コミ、推奨、ウェブ上の検索に関して、主観的厚生の固定効果のパラメーターの安定性について確認を行った。計画では、購買量のモデルに関しても安定性を確認する予定であったが、2020年の新型コロナウィルスの対策として実施された行動制限等の影響があるため、分析から除外した。その結果、口コミと推奨は両年とも正の値を示し、主観的厚生がこれらの行動に正の影響を与えることが確認できた。こちらの結果については、2021年8月に開催された日本行動計量学会の全国大会について発表を行った。計画では、購買量のモデルに関しても安定性を確認する予定であったが、2020年の新型コロナウィルスの対策として実施された行動制限等の影響があるため、分析から除外した。また、企業の社会貢献活動が今後ますます盛んになると考えられるが、その結果、当該企業の活動が商品やサービスの非利用者にも影響を与えると考えられ、非利用者においても、主観的厚生の値と、口コミや推奨などの行動に正の関係があるか確認するため、非利用者に限った分析を新たに行い効果が確認できた。 これまでの3つの分析、「①購買量と口コミなどの行動について主観的厚生の効果を確認する」、「②2年分のデータを用いて指標の安定性を確認する」、「③非購入者のみでも主観的厚生は行動に対して影響を与えるか確認する」、を通して、主観的厚生が企業を評価する際の指標として利用可能であることを示すことができた。
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