研究課題/領域番号 |
19K01950
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
大北 健一 愛知大学, 経営学部, 教授 (60367513)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コーペティション戦略 / アパレル・ファッション業界 / 国際ブランドライセンシング |
研究実績の概要 |
初年度は,バーバリー(ライセンサー企業)と三陽商会(ライセンシー企業)の国際ブランドライセンシング契約がどのように成功してなぜ終了したのかを考察した研究代表者による研究業績(Ohkita, K. 2017. Coopetition through International Luxury Brand Licensing: Burberry in Japan in Sindakis, S. and P. Theodorou (eds.). Global Opportunities for Entrepreneurial Growth: Coopetition and Knowledge Dynamics within and across Firms. 143-161. Emerald)をもとに,アパレル・ファション業界のライセンサー企業とライセンシー企業を取り巻くビジネス環境に関連する実態把握に努めた.そこでは,主力拠点である百貨店内に開設した店舗が顧客の高齢化や消費者の低価格志向,ネット通販の普及などに直面し,若い世代を取り込めていないという国内の大手アパレル各社が抱えるブランド事業の課題が把握された.また,ラグジュアリーブランドの大衆化やファストファッション専門店の国際的な展開などがラグジュアリーブランドに多大な影響を及ぼしている実態も把握された.さらに,近年,消費者が百貨店と郊外の大型ショッピングセンターや近隣のショッピングモールなどを同じ大型小売店として認識している側面も把握された.なお,各社は成長するネット通販に活路を見出し,自社ECサイトの運営に取り組んできたものの,実店舗を前提とした収益構造は大きくは変わっていないと指摘されているが,新型コロナウイルスがもたらすビジネス環境の変化に適応するために,さらなるEC強化や実店舗との連動などが急がれることが予想される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象である業界や企業のビジネス環境の実態把握に努めたものの,国際的に評価の定まっている関連する先行研究の内容確認については思うように進めることができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
年末年始および年度末・年度始めにおいてImpact Factor 2.926でGeographyカテゴリー83誌中19位の海外の一流専門誌Geoforum(Elsevier)のレビュアーを務めた際,各期間30日間だけではあるが,所属する本務校が契約していないデータベース(Scopus)を利用する機会に恵まれたため,依頼された論文の査読に必要な利用を終えたあと,自身の研究に関連する先行研究の動向を調査することができた.そこで把握された先行研究を優先的に内容確認することによって2年度目の研究を推進してまいりたい.
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