研究課題/領域番号 |
19K01950
|
研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
大北 健一 愛知大学, 経営学部, 教授 (60367513)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | コーペティション戦略 / アパレル・ファッション業界 / 国際ブランドライセンシング |
研究実績の概要 |
ライセンサー企業の視点から考察した場合,これまでの既存研究ですでに指摘されているように,外国市場に参入する方法として国際ブランドライセンシング契約が選択され得る.本研究課題では,国際ブランドライセンシング契約が選択されて以降,とりわけライセンサー企業の目標が変更され得るという側面が把握された.このため,海外ラグジュアリーブランドにおいて,ライセンサー企業がラグジュアリー化を進める過程で,企業目標が大きく変更され,国際ブランドライセンシング契約にどのような影響を与えたのかについて実態把握に努めた.そこでは,ライセンサー企業の目標に応じて,改めてライセンシー企業によるブランド拡張の試みについて成否を検討する余地があることを把握することができた.また,ライセンシー企業によるブランド拡張の試みのうち,ライセンサー企業が展開する主要国際コレクションに比べて安価な地域限定コレクションはカニバリゼーションを引き起こす要因となるため,国際ブランドライセンシング契約に影響を与える可能性が指摘され得るものの,プレミアム価格帯の製品群を通じたブランド拡張の試みとは異なり,ライセンサー企業のブランドイメージに変化を及ぼすまでの影響を与えないという側面も把握されたことから,ライセンサー企業とライセンシー企業のコーペティション戦略の結果に影響を与える要因やコーペティション戦略の成否における企業の類似性を検討する余地があることを把握することができた.研究期間の1年再延長時には,国際ブランドライセンシング契約をめぐる状況の変化がライセンサー企業とライセンシー企業の双方にどのような影響を与えているのかについてさらなる検討を行ってまいりたい.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
論文の投稿まで終えることができなかったため.
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響が2023年5月8日(月)以降一段落しましたことにより,事前収録型講義の内容面でのさらなる充実に取り組む必要がなくなり,本研究課題に専念できると考えておりました.しかしながら,母の死去に伴う実家の相続や田舎の空き家解体などに労力を費やさなければならない状況が長く続くこととなりました.とはいえ,今月末にはこうした自身が果たすべき役割に一定の目途が立つため,これまでの遅れを取り戻せるように研究を推進してまいりたい.
|
次年度使用額が生じた理由 |
継続的な利用が必要不可欠なアグリゲータについて2023年度からは科研費の直接経費を通じて契約せざるを得ない状況に直面することが確定しました段階から速やかに見積もりをとることから契約手続きの準備を計画的に進めておりましたが,当該アグリゲータを提供する会社の担当者の対応に問題があり,当初想定しておりました4月からの利用を行うことができなくなり,ひと月遅れの5月からの正式契約のもとでの利用開始となりましたため,補助事業期間再延長承認申請書の電子申請を行う時点で,直接経費の残額(約80,000円)が生じてしまいました.これに伴い,この残額は研究期間の1年再延長時にも継続的な利用が必要不可欠な新聞(電子版)の講読費用などに充てさせていただく計画を立てました.
|